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概念

時間強度法(TI法)

time-intensity sensory evaluation

時間強度法(TI法)は、単一曝露後の単一感覚の強度を経時的に測定する手法。

模式図 — 写真ではなく、根拠をもとに苦味研究所が組んだ説明図

左の札は「一点の評定」で棒が一本。右の札は「時間強度法」で、立ち上がって最大に達し減っていく棒の列。下に規格文書で定義される方法である旨の注記。

模式図(苦味研究所作成)· CC BY 4.0

時間強度法——苦味を「一点」ではなく「時間の線」で測る

一度だけ強さを答える評定と、口に含んでから消えるまで強さを記録し続ける時間強度法を、記録される情報の形(値が一つ/時間ごとの値の列)で並べた図。棒の形は模式で、特定の食品の実測ではない。

根拠: ev-ti-method-astm · ev-ti-method-iso6658

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概念 / concept-time-intensity-method

このページの内容(7 節)
  1. 説明
  2. この説明の根拠(7)
  3. 主題ハブ
  4. 関連をたどる
  5. 関連項目(10)
  6. 仮説採集箱(1)
  7. 感覚(4)
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苦味を読む

時間強度法(TI法)は、一度の刺激に対して感じる単一の感覚の強さを、時間を追って記録していく官能評価の手法である。ASTM E1909は時間強度評価のための標準ガイドとして、単一曝露後の単一感覚の強度を経時的に測定するものとTI法を定義している。より一般的な官能評価の枠組みを定めたISO 6658のもとで、TI法のような個別の手法が位置づけられている。

TI法は、花椒の刺激感のように、口に入れてから感覚が消えるまでを時間的に追う必要のある口腔化学感覚の特性評価にも用いられてきた。『中国産の花椒9検体を対象にした研究では...SPU150,000を境に高群・低群に分けたところ、高SPU群の方がTIで測定した曲線下面積・最大強度・持続時間のいずれも大きかったと報告されている。』のように、2群比較という実際の分析設計に即した表現に改める。熟成期間の異なる白酒(バイジウ)の刺激性をTIとTDSの組み合わせで特徴づけた別の研究でも、TIでは刺激の放出速度に有意差が見られ、熟成した白酒は放出速度が高く曲線下面積と持続時間が有意に減少したと報告されている。1993年の口腔灼熱感の研究は、シンナムアルデヒド・ピペリン・カプサイシンを対象にしており、四川山椒や白酒の研究より20年早く、既に無関係のグループが口腔化学感覚にTI法を適用していたことを示す。

TI法は、時間とともに移り変わる食品の感じ方を捉える手法の一つだが、複数の候補から瞬間ごとに最も目立つ感覚を選ぶtemporal dominance of sensations(TDS)とは、測っているものが異なる。TI法は一つの感覚の強さを時間を追って採点し続けるのに対し、TDSはある感覚が最も目立つと選ばれた割合を記録する方法であり、最も目立つと選ばれた感覚が必ずしも最も強い感覚とは限らない点に注意が必要である。

苦味そのものを対象としたTI法の適用例としては、茶カテキン二量体テアシネンシンAの苦味測定がある。Zhangら(2023)のヒトパネル試験では、200・400・600・800・1000マイクロモル毎リットルの濃度のテアシネンシンA水溶液を口内で10秒間保持した後に吐き出し、10秒間隔で240秒まで苦味強度を記録するTI法を用いた。濃度の増加に伴い苦味の持続時間が延びたと報告されている。この研究は苦味のみを対象としており、甘味や回甘(後から広がる甘さ)への接続は扱われていない。

この説明の根拠

  1. Standard Guide for Time-Intensity Evaluation of Sensory Attributes (ASTM E1909-13, reapproved 2017)

    ASTM International / 2017 / 規格 / 抄録確認

    この本文で確認した範囲: ASTM E1909によるTI法の定義そのものを段落冒頭の説明の根拠に使用

  2. Sensory analysis — Methodology — General guidance (ISO 6658:2017)

    International Organization for Standardization / 2017 / 規格 / 抄録確認

    この本文で確認した範囲: ISO 6658という一般的な官能評価枠組みへの位置づけの根拠に使用

  3. Evaluation of the pungency intensity and time-related aspects of Chinese Zanthoxylum bungeanum based on human sensation

    Zhang LL; et al. / 2018 / 学術論文 / 抄録確認

    この本文で確認した範囲: 花椒9検体でのTI測定値がスコヴィル値と対応する記述の根拠に使用

  4. Sensory characterization of Baijiu pungency by combined time-intensity (TI) and temporal dominance of sensations (TDS)

    He Y; Chen S; Tang K; Qian M; Yu X; Xu Y / 2021 / 学術論文 / 抄録確認

    この本文で確認した範囲: 熟成白酒の放出速度と曲線下面積の有意差という記述の根拠に使用

  5. Time-intensity evaluation of oral burn

    Cliff M; Heymann H / 1993 / 学術論文 / 抄録確認

    この本文で確認した範囲: 1993年の口腔灼熱感研究が20年早い適用例だという記述の根拠に使用

  6. Linking Temporal Dominance of Sensations for Primary-Sensory and Multi-Sensory Attributes Using Canonical Correlation Analysis

    Shimaoka N; Okamoto S; Akiyama Y; Yamada Y / 2022 / 学術論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: TI法とTDS法が測る対象そのものが異なるという説明の根拠に使用

  7. Bitterness quantification and simulated taste mechanism of theasinensin A from tea

    Zhang J-Y; Cui H-C; Feng Z-H; Wang W-W; Zhao Y; Deng Y-L; Jiang H-Y; Yin J-F; Engelhardt UH / 2023 / 学術論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: テアシネンシンAの苦味TI測定の濃度・時間条件の記述の根拠に使用

関連をたどる

感覚の時間的優位性(TDS) →と同義ではない→ 時間強度法(TI法)

仮説採集箱(1)

仮説は事実主張ではありません。面白さを探索の入口として保存し、これから資料・聞き書き・観察で確かめます。

『後味』は三つの時間を混ぜていないか編集仮説

後味という語は、残り続ける強度、終盤に優勢になる属性、食後に記憶される印象のどれを指しているのだろうか?

由来: 編集部が立てた問い

注記: TIとTDSを分けたことで生まれた編集仮説。日本語用例の実証は未着手。

仮説採集箱をすべて見る →

構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます

感覚(4)

時間強度法(TI法)はISO 6658 の一般官能方法論の枠組み内にある ASTM E1909 標準ガイドに記録されている文脈資料

範囲: 標準化された官能方法論文書

ASTM E1909は時間強度(time-intensity)評価の標準ガイドであり、単一曝露後の単一感覚の強度を経時的に測定するものと定義されている。
限界: 適用範囲は確認済み。全文はペイウォール内。
文脈: ISO 6658は官能試験の選択と統計処理に関する一般指針を与えるもので、TIなどの個別手法はこの枠組みの中に位置づけられる。
限界: 適用範囲は規格本文(無料プレビュー)の逐語で確認済み。TIが実際にどの節(5.4以降と推定)で扱われるかはプレビュー範囲外(購入必須)で未確認のまま。
出典: Sensory analysis — Methodology — General guidance (ISO 6658:2017)(International Organization for Standardization, 2017)・抄録確認
データを表示concept-time-intensity-method —is_documented_in→ (上の主張の文)
claim: clm-ti-method-standardized / type: sensory / 更新: 2026-08-30
時間強度法(TI法)は花椒の刺激感など時間依存的な口腔化学感覚を特性評価する手法として用いられる支持あり

範囲: 刺激性スパイスに関するヒト訓練パネル研究

注記: 2026-08-31: 支持根拠に全文確認由来がないため established から supported へ較正降格。全文確認後に再昇格可。

花椒9検体を、スコヴィル単位、記述分析、時間強度(TI)、および7つの口腔感覚のtemporal dominance of sensations(TDS)で特性化した。
限界: パネル人数は抄録に記載なし(変更なし)。ただし抄録自体には SPU・TI(AUC/Imax/Ttot)の高低群比較数値が明記されており、抽出漏れだった。全文(Methods/Results本文)は未到達。
別の研究グループが、時間強度と時間支配的感覚法の同じ組み合わせを異なる刺激性素材に適用し、白酒(Baijiu)の刺激性とそのサブクオリティを特徴づけた。TI では刺激性の放出速度に有意差が見られ、熟成した白酒は放出速度が高く曲線下面積と持続時間が有意に減少した。TDS では支配的なサブクオリティが異なり、若い白酒では灼熱感としびれ、熟成した白酒では灼熱感、チクチク感、乾燥感だった。
限界: パネル人数と尺度の詳細は抄録から取得できていない。全文は未取得(Elsevier)。TI/TDS が化学感覚属性一般に用いられることを示すもので、四川花椒に特化したものではない。
エタノール水、ショ糖、NaCl、MSGに溶解したヒドロキシサンショール化合物に対し、2-AFC、時間強度、TDSを適用。刺激性の検知閾値はショ糖中で抑制され、NaClとMSGは影響しなかった; 刺激性曲線下面積はNaClとMSGで増加し、ショ糖中では有意に低下した。TDSは、チクチク感・渋味・振動感・しびれの口腔内での空間的・時間的な移動を分解し、最大速度・ピーク時間・持続時間に有意差が見られた。
限界: 筆頭著者の姓がsrc-zhang-2018-huajiao-tiの筆頭著者と同じで、材料も同じ化合物クラスであるため、既存の証拠からの独立性は限定的。パネル人数は抄録に記載なし; 全文は未取得。
シンナムアルデヒド、ピペリン、カプサイシンの口腔内灼熱感の時間プロファイルを、time-intensity(TI)パラメータで定量した。カプサイシンはシンナムアルデヒドに対し、最大到達時間・プラトー時間・総時間がそれぞれ1.5倍・2.0倍・3.0倍大きかった。四川山椒や白酒の研究より20年早い1993年に、すでに無関係のグループが口腔ケメステシスにTIを適用していたことを示す。
限界: 判定者数は抄録に記載なし。灼熱感/刺激性のみで、チクチク感型のケメステシスは扱っていない。
出典: Time-intensity evaluation of oral burn(Cliff M; Heymann H, 1993)・抄録確認
TI結果は、高SPU群(>150,000 SPU)でAUC・最大強度(Imax)・持続時間(Ttot)がそれぞれ13,482.91超・42.05超・900秒超であったのに対し、低SPU群(<150,000 SPU)ではそれぞれ4,201.06・16.61・700秒程度と低かったことを示した。
限界: パネル人数・統計検定の詳細は抄録に記載なし。全文(Methods/Results)未確認。抄録は逐語引用したが、AUC/Imax/Ttotの単位・尺度定義そのものは全文でのみ確認可能。
文脈: 9検体のスコヴィル刺激単位(SPU)は38,000から460,000の範囲であった。
限界: SPU測定法の詳細(希釈系列・パネル)は抄録に記載なし。
データを表示concept-time-intensity-method —is_used_as→ (上の主張の文)
claim: clm-ti-method-used-for-chemesthesis / type: sensory / 更新: 2026-08-31
感覚の時間的優位性(TDS)は時間強度法(TI法)と同義ではない支持あり

範囲: 口に入れてから感覚が消えるまでを追う二つの評価法の違い

注記: ある感覚が最も目立つと選ばれた割合を、その感覚の強さや快不快、強いまま続いた時間へ読み替えない。

TDSは複数の候補からその瞬間に最も目立つ感覚を選ぶ方法で、一つの感覚の強さを続けて採点するTIとは測っているものが違う。
限界: 最も目立つと選ばれた感覚が、いつでも最も強い感覚とは限らない。
データを表示concept-temporal-dominance-of-sensations —is_not_synonymous_with→ concept-time-intensity-method
claim: clm-tds-not-time-intensity / type: sensory / 更新: 2026-08-31
時間強度法(TI法)は次に使われる: 茶カテキン二量体テアシネンシンAの苦味測定(濃度200・400・600・800・1000 µmol/L、口内で10秒保持後に吐き出し、10秒間隔で240秒まで苦味強度を記録、温度25℃)支持あり

範囲: Zhang et al.(2023)のヒトパネル試験

注記: 濃度の増加に伴い苦味の持続時間が延びると報告されている。この研究は苦味のみを対象とし、甘味・回甘(huigan)への接続の記述は無い。

3 mLのサンプル溶液を口中で10秒間保持した後に吐き出し、苦味強度を10秒ごとに記録して240秒まで継続。濃度200・400・600・800・1000 µmol/L、温度25℃。濃度の増加に伴い苦味の持続時間が延びたと報告。
限界: 苦味のみを対象とし、甘味・回甘(huigan)への接続の記述は無い。パネル人数は本文中で明確に確認できていない。
出典: Bitterness quantification and simulated taste mechanism of theasinensin A from tea(Zhang J-Y; Cui H-C; Feng Z-H; Wang W-W; Zhao Y; Deng Y-L; Jiang H-Y; Yin J-F; Engelhardt UH, 2023)・全文確認
データを表示concept-time-intensity-method —is_used_in→ (上の主張の文)
claim: clm-theasinensin-ti-bitterness-only / type: sensory / 更新: 2026-09-02

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