ふきのとうは開花が進むほど苦味が増すという説明を一般向け資料で見かけるが、開花段階別に苦味成分(バッケノライドB等)を定量した学術資料は今回の調査では確認できなかった。開花段階別の苦味成分含量データは存在するのだろうか?
由来: 編集部が立てた問い
注記: 既存entity ingredient-fukinoto・compound-bakkenolide-bへ接続する形の研究課題として記録。
食材
fukinoto (butterbur flower bud)
ふきのとうは、晩冬から早春に採取される Petasites japonicus の花蕾。日本を代表する苦い山菜。
写真で見る

フキ(Petasites japonicus)の花茎「ふきのとう」。土からロゼット状に開いた淡緑色の苞葉に囲まれて、中心に白い頭花の集合が見える、開花し始めの状態。撮影地はオランダの庭園で、日本国内で収穫される個体とは生育環境が異なる。
写っているもの: Petasites japonicus部位・状態: 地表に顔を出したフキ(Petasites japonicus)の花序(ふきのとう)。苞葉に包まれ、中心に白い頭花が集まった蕾〜開花初期の状態
写真: Dominicus Johannes Bergsma/ CC BY-SA 4.0/ 原画像/ 台帳の原画像
被写体の確認: 原典の記載による同定。撮影地はオランダの栽培個体で、日本国内で山菜として収穫される「ふきのとう」の産地・生育環境の代表例ではない。学名は原典キャプション(Petasites japonicus)に基づく。
掲載画像: Wikimedia Commons の1920px版。苦味研究所では切り抜き・色調変更なし。 表示用には幅1200px上限のWebPを配信し、台帳の原画像は上のリンクから確認できます。
食材 / ingredient-fukinoto
↑苦味を読む
ふきのとうは、晩冬から早春にかけて顔を出すフキ(Petasites japonicus)の花のつぼみで、日本を代表する苦い山菜として知られる。宮城県の郷土料理の記録では、この植物を方言で「ばっけ」と呼び、花が開くと苦味が強まり味が落ちるため、開花前のやわらかいつぼみを選んで摘み取ると伝えられている。摘み取る時期そのものが、蕾のうちに味わう食材としてのふきのとうの性格を決めている。
苦味の主成分として単離されたのがバッケノリドBである。仙台から約50 km圏で採取した風乾ふきのとうを対象に、東北薬科大学のグループが1960年代から1972年にかけて有機溶媒抽出とアルミナカラムクロマトグラフィーで分離した白色結晶で、融点は101-102℃、風乾した植物のおよそ0.1%を占める。単離当初はペタシノライドと名付けられたが、欧州産フキの成分と名前が重なるため改名され、別の研究者が報告していたフキノリドと同一の物質であることも確認されている。
同じ抽出の過程では、苦味を持つ別の成分も見つかっている。融点95℃で風乾植物の0.09%を占めるイソペタシンと、減圧蒸留によりおよそ0.2%の収率で得られる油状のフキノンで、いずれも苦味を呈すると記されている。また、熱水や薄いアルコールで抽出してもふきのとうの苦味はほとんど溶け出さないことが分かっており、この結果を受けて研究者は当初有力だった「苦味は配糖体による」という見方を捨て、有機溶媒抽出に切り替えたという。苦味のもとが水に溶けにくい性質を持つらしいことを示す記録である。
島根県の記録では、ふきのとうは1月頃から4月上旬まで店先に並ぶ春の味覚とされ、塩と重曹を加えた湯で茹でてからしばらく水にさらしてえぐみを抜き、刻んで白味噌や麦味噌と合わせるふきのとう味噌に調理される。宮城のばっけみそも同様に春の家庭料理として各家庭で仕込まれると記録されている。ただし苦味成分の単離は一つの研究室の解説記事に基づくもので、苦味の強さを数値で評価した官能試験や、茹でこぼしでどれだけ苦味が減るかを定量した資料はまだない。
林野庁の2016年2月号に載った料理記事には、ふきのとう100 gへサラダ油大さじ2を加えて刻み、1~2分炒めてから、調味料と水で4~5分加熱するペーストがある。執筆した料理研究家は、油を使う調理で苦味がまろやかになると説明し、できたペーストをごはんや豆腐にのせるほか、野菜炒めの味付けにも使えるとしている。
この本文で確認した範囲: ばっけの方言呼称と開花前に摘む理由を確認/宮城のばっけみそが春の家庭料理である記述を確認
この本文で確認した範囲: バッケノリドB単離の材料・方法・改名経緯を確認/イソペタシンとフキノンの苦味記述と収率を確認/熱水・希アルコール抽出で苦味が移行しない記述を確認
この本文で確認した範囲: 島根の記録にある出荷時期とふきのとう味噌の作り方を確認/塩と重曹での下茹でとあく抜き工程の記述を確認
春の香り 豆腐とふきのとうの炒め煮とふきのとうの万能ペースト
この本文で確認した範囲: 材料量、炒め時間、追加加熱時間、料理研究家による油調理の説明と、ごはん・豆腐・野菜炒めへの用途を記述するため使用
別名: ばっけ(ja)
仮説は事実主張ではありません。面白さを探索の入口として保存し、これから資料・聞き書き・観察で確かめます。
ふきのとうは開花が進むほど苦味が増すという説明を一般向け資料で見かけるが、開花段階別に苦味成分(バッケノライドB等)を定量した学術資料は今回の調査では確認できなかった。開花段階別の苦味成分含量データは存在するのだろうか?
由来: 編集部が立てた問い
注記: 既存entity ingredient-fukinoto・compound-bakkenolide-bへ接続する形の研究課題として記録。
ふきのとうの苦味は茹でこぼしと水さらしで弱まる、と料理の場では語られる。苦味の評点を測った資料はこの研究所の台帳にまだ無い。
由来: 出どころ未記録
注記: 料理の場の言い伝え。特定の出典に接続していない
さらしすぎるとほろ苦さまで失われる、と語られる。苦味の実測は無い。
由来: 出どころ未記録
注記: 料理の場の言い伝え。特定の出典に接続していない
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
範囲: 仙台周辺で採取され、東北薬科大学のグループが研究した風乾ふきのとう(1960年代-1972年)
注記: 著者が Petasinolide と命名後、欧州産フキ成分との名称重複を避け阿部・北原と合議して Bakkenolide-B に改名。納谷らの Fukinolide と同一物質。単一グループの解説記事に基づき、一次実験論文は未読。
ingredient-fukinoto —has_principal_bitter_compound→ compound-bakkenolide-b範囲: バッケノリドB単離と同じ風乾ふきのとう材料
注記: 苦味の強度・閾値・寄与率は記載されておらず、苦味を有するという定性記述のみ。抗菌性試験ではいずれの苦味物質も抗菌性を示さなかったと記載。
ingredient-fukinoto —contains→ (上の主張の文)範囲: 種田山頭火の日記(青空文庫収録、書誌データは出典参照)
注記: 個人の日記における主観的な味覚描写であり、標準化された官能パネル試験ではない。苦味を『うまさ』の語と並べて肯定的に形容している点を記録。
ingredient-fukinoto —has_sensory_attribute→ (上の主張の文)範囲: 栗原(1972)が報告したふきのとうの抽出試験
ingredient-fukinoto —has_bitterness_poorly_extracted_by→ (上の主張の文)範囲: 農水省「うちの郷土料理」データベースの島根のふきのとう味噌レシピ
ingredient-fukinoto —is_prepared_with→ process-aku-nuki範囲: 林野-RINYA- 2016年2月号に掲載された、料理研究家ほりえさわこの「ふきのとうの万能ペースト」
注記: 一人の料理研究家による一つのレシピ。記事は油調理で苦味がまろやかになると述べるが、比較試料・評価者・尺度を持つ官能試験ではない。
ingredient-fukinoto —is_documented_as_having→ (上の主張の文)範囲: 農水省「うちの郷土料理」データベースに記録された宮城の家庭料理
注記: ばっけは宮城の方言でふきのとう。「花が咲いてしまうと苦味も強く不味くなるので、花が咲く前のやわらかい蕾を摘みとって用いる」と、苦味が採取時期を規定する記録がある。
dish-bakke-miso —includes→ ingredient-fukinoto範囲: 農水省「うちの郷土料理」の島根(ふきのとう味噌)と宮城(ばっけ味噌)の記録
注記: 公的データベース上の文化的位置づけの記録。安全性・健康効果の主張ではない。
ingredient-fukinoto —is_presented_as→ (上の主張の文)範囲: きごさい歳時記
ingredient-fukinoto —has_cultural_role_of→ (上の主張の文)