主題ハブ — 2026-10-21
エキストラバージンオリーブオイルの苦味は、どの成分で決まるのか
先に断っておくと、ここで扱うのは舌で感じる苦味で、喉のピリッとした刺激(辛味)とは別の感覚として分けて書く。どちらも同じ油で一緒に強くなりやすいが、評価では別の項目になっている。 エキストラバージンオリーブオイルが苦いとき、その元はフェノール類だと言われることが多い。 では、同じ油で苦味の点数とフェノール類の量を並べた研究は、何と答えているか。 この頁では、収録した研究を、油の品種や産地・栽培や搾り方・誰がどの尺度で評価したか、という条件と一緒に並べる。 苦味の担い手については研究ごとに説が割れているので、割れたまま書く。 そのうえで、同じ実験の中で確かめられたことと、研究のあいだの違いから考えられる説明の候補と、 この比較だけでは分けられないことを、分けて書く。 ここで扱うのは苦味の感じ方と成分の研究で、品質の良し悪しや健康についての話ではない。
このページの内容(10 節)
この頁でわかること
- 総フェノールが多い油ほど苦い傾向はあるが、総量だけで苦味を説明・予測するには限りがあること。
- 総フェノールがわずかしか減らないのに苦味が下がった例と、総フェノールが違うのに苦味に差が検出されなかった例があること。
- 個別の成分では、リグストロシドとオレウロペインのアグリコンを苦味の強い側に置く研究があるが、オレオカンタールは苦味と喉の刺激で別の結果が出ていること。
- 苦味と喉の刺激は別の項目で評価されているが、同じ油で一緒に動き、成分がどちらに効いたかは分けにくいこと。
収録した研究で言える範囲
- 総フェノールが多い油ほど苦い傾向はあるが、それだけでは決まらない。上位の油 200 点では苦味の強い群の総フェノールは 621、弱い群は 327 mg/kg で、苦味との相関は R=0.46 だった。別の研究では r=0.69、R²=0.52 で、総量だけで苦味を説明・予測するには限りがある。 [表の行: Tomé-Rodríguez ら 2025 苦味 強 対 弱 の群/Pedan ら 2019 苦味 対 辛味(総フェノールとの相関)/Calatayud ら 2024 総フェノールとの関係]
- 総量と苦味が揃わない例もある。同じ油を 3 か月静置すると苦味は 4.8 から 3.2 に下がったが、総フェノールは 773 から 750 mg/kg と 3% の減りだった。総フェノールが 306.00 と 208.36 mg/kg と違う 2 群でも、苦味は 2.40 で有意差は検出されなかった。個別の成分では、上位の油の研究と要旨だけの研究が、リグストロシドとオレウロペインのアグリコンを苦味の強い側に置く。 [表の行: Ciafardini と Zullo 2022 静置 90 日 対 0 日/Ghorbel ら 2025 エキストラバージン 対 バージン/Tomé-Rodríguez ら 2025 苦味 強 対 弱 の群/Gutiérrez-Rosales ら 2003 アグリコン類の濃度]
苦味の評価の一覧
人の苦味の評価の結果を抜き出した。「比べた群」と「比べた相手」の値は、論文の表や本文のまま(値が図だけのものはそう書いた)。 苦味の強い群と弱い群で成分の量を比べた行、栽培や搾り方を変えたときの苦味の行、喉の刺激(辛味)の行を分けて入れた。抄録だけの研究は、抄録に書かれた内容だけを載せた。 「向き」はどちらが苦かったかで書いた。差が有意かどうかは「向き・検定」の欄の検定の段で見る。研究名を押すと、条件の詳しい表へ移る。
人が苦味を評価した結果だけを抜き出した一覧。値の出所(表の値か図からの目測か)は各行に書いた。研究ごとに尺度も測り方も違うので、行の中で比べ、行どうしは比べない。
| 研究 | 比べた組・条件 | 測り方 | 比べた試料 | 比べた相手 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| Tomé-Rodríguez ら 2025 | 苦味の 3 群の点数 EU の区分で弱(3.0 未満)・中・強(6.0 超)に分けた群の苦味の中央値の平均(2 収穫期) | 0〜10 の中央値の平均(各油 5 名) | 6.32・6.86(強) | 2.57・2.86(弱) | 比べた試料の方が苦い 検定の記載なし |
| Pedan ら 2019 | 苦味 対 辛味(総フェノールとの相関) 100 点で、苦味と総フェノールの相関と、辛味と総フェノールの相関 | 相関係数(100 点) | r=0.69(苦味) | r=0.54(辛味) | 比べた試料が高い 検定の記載なし |
| Antonelli ら 2024 | 凍結 対 生の果実 搾る前に果実を凍結させた油と、生の果実の油 | IOC の方法の点数(9 名) | 有意差なし(値は図だけ) | 値は図だけ | 向きの記載なし 検定あり・有意差なし |
| Brkić Bubola ら 2022 | 灌漑 対 天水 灌漑した 3 区と天水の区(2 年) | 0〜10 の目盛り(8 名) | 低め(値は図だけ) | 値は図だけ | 比べた相手の方が苦い 検定あり・一部の組だけ有意 |
| Sánchez-Rodríguez ら 2019 | 不足灌漑 T1 対 対照 水を 58% 減らした区と対照 | 0〜10 の平均(8 名) | 0.5 | 0.8 | 比べた相手の方が苦い 検定あり・有意 |
| Ciafardini と Zullo 2022 | 静置 90 日 対 0 日 同じ油を 3 か月静置 | 0〜5 の記述評価 | 3.2 | 4.8 | 比べた相手の方が苦い 検定あり・有意 |
| Peralta ら 2024 | 練り 30 分 対 15 分 練り時間が 15 分と 30 分の試験(別の日・別の仕込みで、温度や果実の油分も違う) | 中央値(8 名) | 3.4・3.2 | 2.7・2.6 | 比べた試料の方が苦い 検定あり・有意 |
| Ghorbel ら 2025 | エキストラバージン 対 バージン チュニジアの 2 群(各 18 点) | 中央値(8 名) | 2.40 | 2.40 | 向きの記載なし 検定あり・有意差なし |
| Calatayud ら 2024 | 総フェノールとの関係 230 点で、苦味と総フェノール | 決定係数(230 点) | R²=0.52 | 該当しない(関係の強さ) | 向きの記載なし 検定の記載なし |
| Gutiérrez-Rosales ら 2003 | アグリコン類の濃度 20 点で、苦味の強さとアグリコン類の濃度の回帰 | 記載なし(抄録に無い) | 苦味と結びついた(抄録の記述) | 値は抄録に無い | 向きの記載なし 検定の記載なし |
| Favati ら 2013 | K225 と総フェノール 苦味の予測の指標として K225 と総フェノールを比べた | 記載なし(抄録に無い) | K225 でよく予測できた(抄録の記述) | 値は抄録に無い | 向きの記載なし 検定の記載なし |
研究ごとの条件と結果
研究ごとに、油・栽培や搾り方・評価した人の条件と、測った結果を並べる。行の単位は「研究×測定結果」で、 同じ研究の中の別の比較は別の行にした。各行の下に、論文での位置と、 その行が「人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するか」の比較に使えるかを、理由と一緒に書いた。 空欄にせず、「記載なし」(論文に書かれていない)、「読んでいない」、「該当しない」を書き分けている。
Tomé-Rodríguez ら 2025 官能と成分
Phenolic Metabolism Explains Bitterness and Pungency of Extra Virgin Olive Oils. Foods 14(9):1620 — doi:10.3390/foods14091620
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(3.1〜3.4 節、表 1〜4、図 1〜3)。個別の相関の表(補足表 S4)は読んでいない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- スペインの競技会の上位の EVOO 200 点(2 収穫期 各 100 点、単一品種とブレンド)。欠陥の無い上位の油に偏っている
- 加工・調理
- 記載なし(品種・熟度は補足表)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(この表では読んでいない)
- 誰が・どの尺度で
- 競技会の評価者から 1 点につき 5 名が IOC の方法で苦味と辛味を別々に 0〜10 で評価(数値は中央値)。苦味を弱・中・強の 3 群に分けた。成分は同じ油で LC-MS/MS
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | 苦味の 3 群の点数 EU の区分で弱(3.0 未満)・中・強(6.0 超)に分けた群の苦味の中央値の平均(2 収穫期) | 6.32・6.86(強) | 2.57・2.86(弱) | 0〜10 の中央値の平均(各油 5 名) | 比べた試料の方が苦い 検定の記載なし |
| 群は点数で分けたもので、群の差の検定は意味を持たない。中の群は 4.42・4.99。群の点数は 弱 32・中 140・強 26 点(合計 198 点で、200 点との差は本文に説明が無い)。2022/23 の方が苦い(p<0.001)が、総フェノールは 2 年とも平均 437 mg/kg 原典の位置: 3.1 節・表 1 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 苦味の点数で油を 3 群に分けた。群どうしの成分の比較の土台になる | |||||
| 総フェノール | 苦味 強 対 弱 の群 苦味の強い群(26 点)と弱い群(32 点)の総フェノール | 621±223 | 327±144 | mg/kg の平均±SD(苦味の群ごと) | 比べた試料が高い 検定あり・有意 |
| 中の群は 428±153 で、3 群の間に差がある。苦味と総フェノールの相関は R=0.46(スピアマン)。弱と強を分ける ROC の AUC は 88.3。著者は相関はどれも 0.5 未満で、複数の成分で説明されると書く 原典の位置: 3.1・3.3・3.4 節、表 3・4 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 同じ油で苦味と成分を測ったが、観察で、成分を変えて苦味を比べた実験ではない。上位の油に偏る | |||||
| リグストロシドのアグリコン | 苦味 強 対 弱 の群 苦味の強い群と弱い群のリグストロシドのアグリコン | 121±64 | 50.8±30.3 | mg/kg の平均±SD(苦味の群ごと) | 比べた試料が高い 検定あり・有意 |
| 3 群すべての間で差がある。オレウロペインのアグリコンも 190±82 対 93.3±55.4 で同じ向き。弱と強を分ける AUC はリグストロシドのアグリコン 88.3、オレウロペインのアグリコン 86.2。著者は苦味にもっとも強く関わる成分としてこの 2 つを挙げる 原典の位置: 3.3・3.4 節、表 3・4 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 同じ油で苦味と成分を測った観察。成分どうしも一緒に動くので、どれが効いたかは分けられない | |||||
| オレオカンタール | 苦味 強 対 弱 の群 苦味の強い群と弱い群のオレオカンタール | 75.6±50.9 | 51.5±33.5 | mg/kg の平均±SD(苦味の群ごと) | 比べた試料が高い 検定あり・有意差なし |
| 表 3 の群の文字は強 a・弱 ab で、強と弱の差は有意と示されていない(強と中は文字が違う)。オレアセインは 68.6 対 37.8 で群の間の差の印は無い。著者は、成分の組み合わせの解析でオレオカンタールとオレアセインを苦味の弱い側に置くが、群の平均の数字は苦味の強い群の方が大きい。苦味の 3 群全体の AUC はオレオカンタール 59.9 原典の位置: 3.3・3.4 節、表 3・4、図 1 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 同じ油の観察で、著者の解釈(苦味の弱い側)と群の平均(強い群ほど高い)が違う向き | |||||
| 総フェノール | 辛味 強 対 中 の群(総フェノール) 辛味の強い群と中の群の総フェノール(弱い群は 11 点で、ROC の比較からは除いた) | 522±189 | 422±175 | mg/kg の平均±SD(辛味の群ごと) | 比べた試料が高い 検定あり・有意 |
| 辛味で群の差が出た個別の成分はオレオミッショナル(p=0.0015)、オレオコロナール(p=0.05)、オレオカンタール(p=0.021)。苦味と辛味の点数どうしの相関は R=0.69 原典の位置: 3.1・3.3 節、表 3 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 使えない — 辛味の群の成分の比較で、苦味の比較ではない | |||||
Pedan ら 2019 官能だけ
Characterization of Phenolic Compounds and Their Contribution to Sensory Properties of Olive Oil. Molecules — doi:10.3390/molecules24112041
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(2.1〜2.3 節、表 1、図 5・6)。補足資料は読んでいない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- チューリッヒの競技会に出された EVOO 100 点(8 か国とブレンド。本文の内訳は単一品種 62 点とブレンド 35 点)
- 加工・調理
- 記載なし(熟度は官能の印象で緑・緑〜熟・熟に分けた)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(この表では読んでいない)
- 誰が・どの尺度で
- 訓練された評価団が苦味・辛味・フルーティーを別々に 0〜10 で評価(人数は記載なし)。総フェノールは Folin-Ciocalteu、個別は LC-DAD-MS
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味と成分の関係(相関) | 苦味 対 辛味(総フェノールとの相関) 100 点で、苦味と総フェノールの相関と、辛味と総フェノールの相関 | r=0.69(苦味) | r=0.54(辛味) | 相関係数(100 点) | 比べた試料が高い 検定の記載なし |
| 相関の種類と検定は本文に書かれていない。要旨は苦味と総フェノールを r=0.72 と書き、本文と食い違う。主成分分析の上位 2 成分は 36.5% しか説明せず、著者は単純な直線の関係ではないと書く 原典の位置: 2.1 節・抄録 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 同じ油の苦味と総フェノールの相関。検定と相関の種類は書かれず、抄録と本文で値が違う | |||||
Antonelli ら 2024 官能だけ
The Management of Irrigation and Potassium Fertilization to Mitigate the Effect of Light Frosts on the Phenolic and Volatile Compounds in Virgin Olive Oils. Antioxidants 13(5), article 559 — doi:10.3390/antiox13050559
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(3.1.2・3.1.5・3.2.3・3.3 節、図 1・4・7、表 5) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- チリの Arbequina。灌漑とカリ施肥と銅の 15 処理、収穫 3 回、生の果実と凍結(−3 °C で 12 時間)させた果実から搾った油、計 180 点
- 加工・調理
- 搾る前に果実を凍結した条件と、しない条件
- 出し方・食べ方
- 15 mL を標準の青いグラスで
- 誰が・どの尺度で
- IOC の方法で訓練された 9 名が苦味・辛味を別々に評価(尺度の範囲は記載なし)。成分は同じ油で HPLC
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | 凍結 対 生の果実 搾る前に果実を凍結させた油と、生の果実の油 | 有意差なし(値は図だけ) | 値は図だけ | IOC の方法の点数(9 名) | 向きの記載なし 検定あり・有意差なし |
| 凍結で総フェノールとセコイリドイドは有意に減った(7 月の総フェノールは差なし)が、苦味・辛味の点数は生と有意差がなかった。要旨は凍結した油の方が辛いと書き、本文と食い違う 原典の位置: 3.1.5・3.2.3 節、図 4 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 凍結で成分は減ったのに苦味は有意に変わらなかった。成分の量と苦味が揃わない例として使える | |||||
Brkić Bubola ら 2022 官能だけ
Effect of Different Watering Regimes on Olive Oil Quality and Composition of Coratina Cultivar Olives Grown on Karst Soil in Croatia. Foods 11(12), article 1767 — doi:10.3390/foods11121767
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(3.2.5・3.2.6 節、表 7、図 4)。苦味の値は図だけで、図は見ていない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- クロアチアの Coratina。天水と灌漑 3 区、2 年、各区 3 点(計 24 点)
- 加工・調理
- 灌漑の仕方(天水・経験的な不足灌漑・生育段階に合わせた不足灌漑・100%)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(この表では読んでいない)
- 誰が・どの尺度で
- IOC 認定の評価団 8 名、0〜10 の目盛り。苦味と辛味を別々に。成分は同じ油で HPLC-DAD
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | 灌漑 対 天水 灌漑した 3 区と天水の区(2 年) | 低め(値は図だけ) | 値は図だけ | 0〜10 の目盛り(8 名) | 比べた相手の方が苦い 検定あり・一部の組だけ有意 |
| 灌漑で苦味は 2019 年にわずかに下がり、2020 年は下がったが有意でない。天水の油の苦味・辛味は 6 を超える強さ(灌漑区の値は図だけ)。総フェノールは 2 年とも 4 区の間に有意差がなかった(2019 年 天水 1311.8、灌漑区 1043.3〜1077.9 mg/kg) 原典の位置: 3.2.5・3.2.6 節、表 7、図 4 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 灌漑で苦味は少し下がったが総フェノールは有意に変わらず、苦味の値は図だけ | |||||
Sánchez-Rodríguez ら 2019 官能だけ
Quality Attributes and Fatty Acid, Volatile and Sensory Profiles of "Arbequina" hydroSOStainable Olive Oil. Molecules 24(11), article 2148 — doi:10.3390/molecules24112148
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(表 1・4、図 1) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- スペインの Arbequina。対照と不足灌漑 3 区(2017 年)
- 加工・調理
- 灌漑の仕方(対照と、水を減らした 3 通り)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(この表では読んでいない)
- 誰が・どの尺度で
- 研究室の評価団 8 名(600 時間超の訓練)が 0〜10 で記述分析。苦味・辛味・渋味を別々に。成分は総フェノールだけ
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | 不足灌漑 T1 対 対照 水を 58% 減らした区と対照 | 0.5 | 0.8 | 0〜10 の平均(8 名) | 比べた相手の方が苦い 検定あり・有意 |
| 分散分析で T1 だけがほかの区と違う。総フェノールは T1 126.8、対照 259.8。ただしほかの区では揃わず、苦味が最も高い T3(0.9)の総フェノールは 181.5、総フェノールが最も高い T2(267.3)の苦味は 0.7。苦味と総フェノールの相関は報告されていない。総フェノールは没食子酸当量の mg/L。苦味はどの区も 1 に満たない 原典の位置: 表 1・4 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 総フェノールだけを測り、区の順位と苦味の順位が揃わない。相関は計算していない | |||||
Ciafardini と Zullo 2022 官能だけ
Microbiological and Enzymatic Activity Modulates the Bitter Taste Reduction in Decanted Coratina Olive Oil. Foods 11(6):867 — doi:10.3390/foods11060867
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(3.4 節、表 1・6・7) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- イタリアの Coratina の新しい油を 200 L の槽 3 本に窒素下で入れた
- 加工・調理
- 3 か月静置(毎月、澱を抜く)。油の中の酵素と酵母で苦い成分が分解されると著者は考える
- 出し方・食べ方
- 記載なし(この表では読んでいない)
- 誰が・どの尺度で
- 国の認定評価団(人数は記載なし)。苦味は 0〜5 の記述評価。辛味は別項目。成分は総フェノール(HPLC、チロソール当量)と、225 nm の吸光の指標 K225
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | 静置 90 日 対 0 日 同じ油を 3 か月静置 | 3.2 | 4.8 | 0〜5 の記述評価 | 比べた相手の方が苦い 検定あり・有意 |
| 30 日は 4.6 で有意差なし、60 日・90 日で下がった。総フェノールはチロソール当量で 773 から 750 mg/kg(3% 減で、有意に違う)、K225 は 0.757 から 0.668。辛味は 4.0 から 3.7 で有意な変化なし 原典の位置: 3.4 節、表 1・6・7 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 同じ油で苦味が下がったが総フェノールはほとんど変わらなかった。個別の成分の値は載っていない | |||||
Peralta ら 2024 官能だけ
Olive Oil (Royal Cultivar) from Mill Obtained by Short Time Malaxation and Early Ripening Stage. Foods 13(16):2588 — doi:10.3390/foods13162588
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(3.3・3.5 節、表 4・6) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- スペインの工場で搾った Royal 品種の早摘み(熟度指数約 1.05)の油。各条件 1 回の工場試験
- 加工・調理
- 練り時間 15 分と 30 分の 2 回の工場試験(別の日・別の仕込みで、温度や果実の油分も違う)
- 出し方・食べ方
- 該当しない(搾った油をそのまま評価)
- 誰が・どの尺度で
- 専門家 8 名(認定研究所)。苦味・辛味・フルーティーを別々に。成分は同じ油で HPLC
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | 練り 30 分 対 15 分 練り時間が 15 分と 30 分の試験(別の日・別の仕込みで、温度や果実の油分も違う) | 3.4・3.2 | 2.7・2.6 | 中央値(8 名) | 比べた試料の方が苦い 検定あり・有意 |
| 苦味は p=0.0243。辛味は 3.9・3.9 対 3.5・3.6 で有意差なし(p=0.1091)。総フェノールはチロソール当量で 156.38・138.86 対 105.54・96.99 mg/kg。オレアセインとされる成分は 53.33・48.42 対 20.48・25.61、オレオカンタールは 28.71・24.48 対 18.45・17.08 で、p-HPEA-EA はほぼ同じ。果実の油分は 14.33 と 13.52%(p=0.0006)で、各条件 1 回の工場試験 原典の位置: 3.3・3.5 節、表 4・6 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 練り時間の違う試験で総フェノールと苦味が一緒に上がったが、別の日・別の仕込みで温度や果実の油分も違い、各条件 1 回 | |||||
Ghorbel ら 2025 官能だけ
Chemical and Sensory Characteristics of Olive Oils Extracted from the Tunisian Olive Varieties. ACS Omega 10(16):16579-16588 — doi:10.1021/acsomega.4c11690
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(表 1・2・4) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- チュニジアの油 36 点(バージン 18 点・エキストラバージン 18 点)。産地と品種の構成が 2 群で違い、バージンの群には欠陥のある油を含む
- 加工・調理
- 25 °C で練り、デカンターで搾った。分析まで 4 °C の暗所で保存
- 出し方・食べ方
- 記載なし(この表では読んでいない)
- 誰が・どの尺度で
- 国の評価団 8 名、IOC の方法。苦味・辛味を別々に。成分は総フェノールと 3 種だけ(アグリコン類は測っていない)
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | エキストラバージン 対 バージン チュニジアの 2 群(各 18 点) | 2.40 | 2.40 | 中央値(8 名) | 向きの記載なし 検定あり・有意差なし |
| 苦味は p=0.999 で有意差なし(同じという意味ではない)。総フェノールの中央値はカフェ酸当量で 306.00 対 208.36 mg/kg で有意に違う(p=0.014)。オレウロペインも 235.46 対 49.57(p=0.046)。群は産地と品種の構成が違い、バージンの群は欠陥のある油を含む。アグリコン類は測っていない 原典の位置: 表 2・4 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 総フェノールが違っても苦味に有意差がなかった例だが、2 群は産地・品種・欠陥も違う | |||||
Calatayud ら 2024 官能だけ
Relationships Between Chemical Compounds and Sensory Properties of Virgin Olive Oil in the US and Israel: Development of a Prediction Model for Defects. Journal of Agricultural and Food Chemistry 72(45):25391-25402 — doi:10.1021/acs.jafc.4c06012
- 原文の確認の深さ
- 全文で確認 — Europe PMC の全文(本文、図 1・2、補足表 S1 の値の記載)。相関の値は図だけで、図は見ていない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- 米国とイスラエルの油 230 点。わざと欠陥を出した油を含む(研究の主目的は欠陥の予測)
- 加工・調理
- 試料ごとに違う(実験室の搾油機で搾った油、保存の温度を変えた油、欠陥を出した油などを含む)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(この表では読んでいない)
- 誰が・どの尺度で
- 2 つの評価団(IOC 認定と AOCS 認定)が IOC の方法で評価(人数は記載なし)。苦味・辛味を別々に。成分は総フェノールと個別フェノール
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味と成分の関係(相関) | 総フェノールとの関係 230 点で、苦味と総フェノール | R²=0.52 | 該当しない(関係の強さ) | 決定係数(230 点) | 向きの記載なし 検定の記載なし |
| 本文が補足表 S1 の値として R²=0.52 を記す(補足表そのものは見ていない)。この値の p 値は本文に無い。本文は苦味と相関した成分としてヒドロキシチロソール・リグストロシドのアグリコンの型・ピノレジノールを挙げ、同じ段落でオレウロペインのアグリコンの型も苦味と相関すると書く。欠陥のある油を多く含む 原典の位置: 本文・図 1(補足表 S1 の値の引用) 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — 苦味と総フェノールの関係の強さで、欠陥のある油を多く含む | |||||
Gutiérrez-Rosales ら 2003 官能だけ
Main polyphenols in the bitter taste of virgin olive oil. Structural confirmation by on-line high-performance liquid chromatography electrospray ionization mass spectrometry. Journal of Agricultural and Food Chemistry 51(20):6021-6025 — doi:10.1021/jf021199x
- 原文の確認の深さ
- 要旨まで — 抄録だけ(全文は購読) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- 苦味の強さが違う品質の高いバージンオイル 20 点
- 加工・調理
- 記載なし(抄録に無い)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(抄録に無い)
- 誰が・どの尺度で
- 評価者の苦味の強さとアグリコン類の濃度の関係を線形回帰で解析した(抄録の文が乱れ、回帰の向きは確定できない。人数・尺度は抄録に無い)
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | アグリコン類の濃度 20 点で、苦味の強さとアグリコン類の濃度の回帰 | 苦味と結びついた(抄録の記述) | 値は抄録に無い | 記載なし(抄録に無い) | 向きの記載なし 検定の記載なし |
| 抄録は、オレウロペインとリグストロシドのアグリコンの型が苦味に本質的な役割をもつと結論する。値と検定は抄録に無い 原典の位置: 抄録 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — アグリコン類と苦味の回帰と抄録は書くが、値・人数を全文で確かめていない | |||||
Favati ら 2013 官能だけ
Extra virgin olive oil bitterness evaluation by sensory and chemical analyses. Food Chemistry 139(1-4):949-954 — doi:10.1016/j.foodchem.2013.01.098
- 原文の確認の深さ
- 要旨まで — 抄録だけ(全文は購読) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- ブレンドと単一品種(Coratina・Leccino・Maiatica・Ogliarola)の EVOO
- 加工・調理
- 記載なし(抄録に無い)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(抄録に無い)
- 誰が・どの尺度で
- 評価団の苦味と、総フェノール・225 nm の吸光(K225)を比べた(人数・尺度は抄録に無い)
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 苦味の強さ(官能) | K225 と総フェノール 苦味の予測の指標として K225 と総フェノールを比べた | K225 でよく予測できた(抄録の記述) | 値は抄録に無い | 記載なし(抄録に無い) | 向きの記載なし 検定の記載なし |
| 抄録は、K225 で苦味の強さをよく予測できたと述べる。値と検定は抄録に無い 原典の位置: 抄録 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 限られる — K225 で苦味を予測したと抄録は書くが、値を全文で確かめていない | |||||
Andrewes ら 2003 官能だけ
Sensory properties of virgin olive oil polyphenols: identification of deacetoxy-ligstroside aglycon as a key contributor to pungency. Journal of Agricultural and Food Chemistry 51(5):1415-1420 — doi:10.1021/jf026042j
- 原文の確認の深さ
- 要旨まで — 抄録だけ(全文は購読) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
- 試料
- 油から抽出したフェノールを HPLC で画分に分けた
- 加工・調理
- 該当しない(画分を味わった)
- 出し方・食べ方
- 記載なし(抄録に無い。画分を味わったことだけが分かる)
- 誰が・どの尺度で
- 画分ごとに苦味・渋味と喉の灼熱感を記述した(人数は抄録に無い)
| 測ったもの | 比べた組・条件 | 比べた試料 | 比べた相手 | 単位 | 向き・検定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 辛味(喉の刺激、官能) | 画分ごとの感覚 フェノールの画分を味わった | 喉の奥の強い灼熱感(デアセトキシ・リグストロシドのアグリコンの画分、抄録) | 舌の弱い灼熱感(デアセトキシ・オレウロペインのアグリコンの画分) | 記載なし(抄録に無い) | 比べた試料が高い 検定の記載なし |
| 抄録は、ほとんどの画分は苦味と渋味で、喉の強い灼熱感を出したのはデアセトキシ・リグストロシドのアグリコン(のちにオレオカンタールと呼ばれる成分)の画分だけだったと書く。同じ濃度でも、もう 1 つの画分は舌の弱い灼熱感にとどまった 原典の位置: 抄録 人が感じる苦味の強さと、同じ油のフェノール類の量が対応するかの比較に: 使えない — 辛味(喉の刺激)を出す成分を分けた記述で、苦味の強さの比較ではない | |||||
実験の中で確かめられたこと
同じ研究の中で、同じ評価者が条件を変えて比べた結果だけを書く。
- 同じ油を静置して比べると、苦味は 4.8 から 3.2 に下がった(60 日・90 日で有意)が、総フェノールは 773 から 750 mg/kg で 3% しか減らず、辛味は 4.0 から 3.7 で有意な変化は検出されなかった。 [表の行: Ciafardini と Zullo 2022 静置 90 日 対 0 日]
- 同じ品種で、練り時間 30 分の試験は 15 分の試験より苦味が高く(3.4・3.2 対 2.7・2.6、p=0.0243)、総フェノールも 156.38・138.86 対 105.54・96.99 mg/kg と多かった。辛味に有意差は検出されなかった(p=0.1091)。ただし 2 つの試験は日・仕込み・温度も違う。 [表の行: Peralta ら 2024 練り 30 分 対 15 分]
- 搾る前に果実を凍結させると、総フェノールとセコイリドイドは有意に減った(最後の収穫の総フェノールは有意差なし)が、苦味と辛味の点数に生の果実の油との有意差は検出されなかった。 [表の行: Antonelli ら 2024 凍結 対 生の果実]

搾りたて
3 か月置いたあと
上の紫の印: 苦味 / 下の灰色の印: 総フェノール
同じ油を、窒素の下で毎月澱を抜きながら 3 か月置いた研究。苦味は下がったが、総フェノールはわずかに減っただけだった。灰色の印を同じ濃さにしたのは近い値をまとめた粗い表し方で、同じ値・変化なし・有意差なしという意味ではない。紫と灰色の印は別の物差しで、互いに比べない。台所で油をただ置いておいた場合や、澱を抜くことだけの効果に広げて読まない。瓶は説明のための形で、油の見た目の違いは描いていない。紫と灰色は実際の色ではない。
出典: Ciafardini・Zullo 2022(表の「研究ごとの条件と結果」の Ciafardini と Zullo 2022)
説明図: イラスト係(PurpleHeron)
結果の違いの説明の候補
研究のあいだ、または試料のあいだで違う条件のうち、苦味の違いを説明しうるもの。 複数の条件が同時に違うので、どれが効いたかは分からない。ここに書くのは候補で、原因ではない。
- 苦味の担い手の候補としてよく挙がるのは、リグストロシドとオレウロペインのアグリコン。上位の油では苦味の強い群で 121 対 50.8、190 対 93.3 mg/kg と多く、弱と強を分ける AUC は 88.3 と 86.2 だった。要旨だけの研究も、これらの型と苦味の回帰を書く。ただし観察なので、成分を足して苦くなるかは確かめていない。 [表の行: Tomé-Rodríguez ら 2025 苦味 強 対 弱 の群/Gutiérrez-Rosales ら 2003 アグリコン類の濃度]
- オレオカンタールは、苦味と喉の刺激で別の結果が出ている。苦味では、上位の油の研究の著者は成分の組み合わせの解析で苦味の弱い側に置くが、群の平均は苦味の強い群で 75.6、弱い群で 51.5 と数字の上では逆で、この差は有意と示されていない。喉の刺激(辛味)では、オレオカンタールの画分が喉の強い灼熱感を出したと要旨だけの研究が書き、辛味の群で差が出ている(p=0.021)。苦味との関わりと喉の刺激への関わりは、別の問い。 [表の行: Tomé-Rodríguez ら 2025 苦味 強 対 弱 の群/Andrewes ら 2003 画分ごとの感覚/Tomé-Rodríguez ら 2025 辛味 強 対 中 の群(総フェノール)]
分かっていないこと——この比較だけでは分けられないこと
- 研究のあいだでは、品種・産地・熟度・評価団・尺度(0〜10・0〜5)・総フェノールの測り方が違い、何 mg/kg で何点の苦味になるかは並べて比べられない。苦味と辛味の点数は別の項目で評価されているが、同じ油で一緒に動く(R=0.69)ので、成分がどちらに効いたかは分けにくい。 [表の行: Tomé-Rodríguez ら 2025 苦味 強 対 弱 の群/Tomé-Rodríguez ら 2025 辛味 強 対 中 の群(総フェノール)/Ciafardini と Zullo 2022 静置 90 日 対 0 日]
- どの成分を足したり除いたりすると苦味が変わるのかを、油の中で直接確かめた研究は収録していない。総量がわずかしか減らないのに苦味が下がった例(静置)と、総量が違っても苦味に差が検出されなかった例(2 群の比較)があり、総量だけでは説明しきれない。 [表の行: Ciafardini と Zullo 2022 静置 90 日 対 0 日/Ghorbel ら 2025 エキストラバージン 対 バージン]
研究と行の数え方
根拠の行の数は、研究の数ではない。表の行・台帳の根拠の行・論文・研究グループを分けて数える。
- 表に入れた資料: 12 本。うち人が評価した苦味の結果をこの表に載せたのは 11 本。ほかは、別のもの(成分・におい)の結果だけを載せたか、条件を考える材料として入れた。
- 表の行(研究×測定結果): 16 行。うち人が感じる苦味の行: 11 行。
- この表が拠っている研究所の台帳の根拠の行: 0 行。1 本の論文から複数の行を作っている。台帳の根拠の行が無い行は、同じ論文の別の表から取った値か、この問いのために新しく読んだ資料の値である。
- 苦味の結果を載せた研究の、台帳の上の研究グループの区分の数: 11(同じ研究室の報告は 1 つと数えた。共著者や所属が重なる所もあり、独立した追試の数ではない)。
調べた範囲
この問いのために見た資料と、表に入れた・除いた理由、全文に当たれなかった資料を残す。 Europe PMC で、オリーブオイルの苦味を人が評価し、同じ油でフェノール類を測った研究を探し、研究所の台帳にある資料と合わせた(J-STAGE と CiNii は探していない)。 有料のものは抄録だけで読んだと書いた。
| 資料 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| Phenolic Metabolism Explains Bitterness and Pungency of Extra Virgin Olive Oils (2025) doi | 表に入れた | 苦味と辛味を分け、同じ油で個別のフェノールを測った。全文で読んだ |
| Characterization of Phenolic Compounds and Their Contribution to Sensory Properties of Olive Oil (2019) doi | 表に入れた | 苦味・辛味と総フェノールの相関。全文で読んだ |
| The Management of Irrigation and Potassium Fertilization to Mitigate the Effect of Light Frosts on the Phenolic and Volatile Compounds in Virgin Olive Oils (2024) doi | 表に入れた | 凍結で成分が減っても苦味に有意差が検出されなかった。全文で読んだ |
| Effect of Different Watering Regimes on Olive Oil Quality and Composition of Coratina Cultivar Olives Grown on Karst Soil in Croatia (2022) doi | 表に入れた | 灌漑と苦味・総フェノール。全文で読んだ |
| Quality Attributes and Fatty Acid, Volatile and Sensory Profiles of "Arbequina" hydroSOStainable Olive Oil (2019) doi | 表に入れた | 不足灌漑と苦味・総フェノール。全文で読んだ |
| Microbiological and Enzymatic Activity Modulates the Bitter Taste Reduction in Decanted Coratina Olive Oil (2022) doi | 表に入れた | 静置で苦味が下がり総フェノールはほとんど変わらない。全文で読んだ |
| Olive Oil (Royal Cultivar) from Mill Obtained by Short Time Malaxation and Early Ripening Stage (2024) doi | 表に入れた | 練り時間と苦味・成分。全文で読んだ |
| Chemical and Sensory Characteristics of Olive Oils Extracted from the Tunisian Olive Varieties (2025) doi | 表に入れた | 総フェノールが違っても苦味に有意差が検出されなかった 2 群。全文で読んだ |
| Relationships Between Chemical Compounds and Sensory Properties of Virgin Olive Oil in the US and Israel: Development of a Prediction Model for Defects (2024) doi | 表に入れた | 230 点の苦味と総フェノールの関係。全文で読んだ |
| Main polyphenols in the bitter taste of virgin olive oil. Structural confirmation by on-line high-performance liquid chromatography electrospray ionization mass spectrometry (2003) doi | 表に入れた | アグリコン類と苦味の回帰。抄録だけで読んだ |
| Extra virgin olive oil bitterness evaluation by sensory and chemical analyses (2013) doi | 表に入れた | K225 による苦味の予測。抄録だけで読んだ |
| Sensory properties of virgin olive oil polyphenols: identification of deacetoxy-ligstroside aglycon as a key contributor to pungency (2003) doi | 表に入れた | 辛味を出す成分を画分で分けた。抄録だけで読んだ |
| Bitter taste and phenolic compounds in extra virgin olive oil: an empirical relationship (2006) doi | 表に入れず、文脈の資料として見た | 総フェノールとオレウロペインのアグリコンと苦味の経験式。抄録だけで、ほかの行と重なる |
| Unusual pungency from extra-virgin olive oil is attributable to restricted spatial expression of the receptor of oleocanthal (2011) doi | 表に入れず、文脈の資料として見た | オレオカンタールが喉の受容体 TRPA1 に働いて辛味を起こす。苦味の研究ではない |
| Activation of specific bitter taste receptors by olive oil phenolics and secoiridoids (2021) doi | 表に入れず、文脈の資料として見た | 人の苦味の受容体を出した細胞の実験で、人の点数ではない |
| Evaluation of Packaging Effects on the Phenolic Profile and Sensory Characteristics of Extra Virgin Olive Oil During Storage Using Liquid Chromatography Coupled with Mass Spectrometry (2025) doi | 除いた | 保存と包装の比較が主で、苦味と成分の対応を問う設計ではないとして表に入れなかった(係が全文を保存) |
| Chemesthetic Perception in Extra Virgin Olive Oil and Olive Ripening Stage: A Sensory Perspective (2026) doi | 表に入れず、文脈の資料として見た | 苦味と辛味などの感覚と熟度の総説。一次研究でない |
| Impact of Olive Variety and Cultivation Region on the Chemical Composition and Sensory Attributes of Turkish Olive Oils (2026) doi | 除いた | 係が全文を保存したが、この表のためには読んでいない |
| Effect of processing technology on chemical, sensory, and consumers' hedonic rating of seven olive oil varieties (2022) doi | 除いた | 係が全文を保存したが、この表のためには読んでいない(同じ油で官能とフェノールを測っている) |
図鑑で読む
- エキストラバージンオリーブオイル — この問いの食品
- オレウロペイン — 苦味の候補の成分のもと
- オリーブオイルは、搾り方や保存のしかたで苦味が変わるのか — 搾り方や保存のしかたで苦味が変わるかを比べた比較の頁(この頁はフェノール類の量と苦味の対応)
- 砂糖や塩を足すと苦味は抑えられるのか — 同じ形の比較の頁
出典台帳
表の各研究の出典は、研究ごとの欄からたどれる。研究所の全体の出典は出典台帳にまとめている。
この頁の引用のしかた
青木大(NIGAMI LAB)(2026). エキストラバージンオリーブオイルの苦味は、どの成分で決まるのか — 研究ごとの条件と結果. https://nigamilab.com/topics/olive-oil-bitterness/
主張ごとの固定リンクは各カードの #clm-… です。データは CC BY 4.0、配布は データを使う。 データセットの DOI: 10.5281/zenodo.22739101