English

主題ハブ — 2026-10-21

ビールは IBU が高いほど苦いのか

ビールのラベルや説明にある IBU(国際苦味単位)は、数字が大きいほど苦いと読まれることが多い。 では、IBU や苦味の成分の量と、人が感じた苦さを並べた研究は何と答えているか。 この頁では、収録した研究を、ビール(市販か試作か)・苦味の成分の測り方・誰がどの尺度で評価したか、という条件と一緒に並べる。 そのうえで、同じ実験の中で確かめられたことと、研究のあいだの違いから考えられる説明の候補と、 この比較だけでは分けられないことを、分けて書く。

このページの内容(10 節)
  1. この頁でわかること
  2. 収録した研究で言える範囲
  3. 苦味の評価の一覧
  4. 研究ごとの条件と結果
  5. 実験の中で確かめられたこと
  6. 結果の違いの説明の候補
  7. 分かっていないこと——この比較だけでは分けられないこと
  8. 研究と行の数え方
  9. 調べた範囲
  10. 図鑑で読む
↑

この頁でわかること

収録した研究で言える範囲

苦味の評価の一覧

人の苦味の評価と、苦味の成分の量の結果を抜き出した。相関の行は「比べた相手」を「該当しない」とした。「比べた試料」と「比べた相手」の値は、論文の表や図のまま(図から読んだ値は目測と書いた)。成分の量の行も含む。 「向き」はどちらが苦かったかで書き、論文が差を認めていないものは「ほぼ同じ」とした。研究名を押すと、条件の詳しい表へ移る。

人が苦味を評価した結果だけを抜き出した一覧。値の出所(表の値か図からの目測か)は各行に書いた。研究ごとに尺度も測り方も違うので、行の中で比べ、行どうしは比べない。

研究比べた組・条件測り方比べた試料比べた相手向き・検定
Techakriengkrai ら 2004成分 6 つから予測
市販ラガー 16 銘柄の苦味の点と、iso-α酸など 6 成分の量
相関係数(14 名の点)予測と実測の相関 0.92単独の iso-α酸 3 種との相関 0.54・0.74・0.67比べた試料が高い
検定の記載なし
Schreurs ら 2024iso-α酸と苦味
市販 250 銘柄(22 スタイル)の iso-α酸と苦味の点
順位相関(16 名のパネルの標準化した点)ρ = 0.68該当しない(相関)比べた試料が高い
検定の記載なし
尾崎・鰐川 2008苦味の回帰
市販 10 銘柄の苦味の点を水溶性の成分で説明する回帰(PLS)
回帰での寄与の順(7 名)苦味価(BU)が寄与の最も大きい変数記載なし(値は図だけ)向きの記載なし
検定の記載なし
Rutnik ら 2022同じ BU
報告された平均の BU が同じ 22 の 2 本: ホップ Aurora(古さ 0.3)対 Celeia(古さ 0.6)
苦味の強さ 1〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)2.4 ± 0.391.2 ± 0.24比べた試料の方が苦い
検定の記載なし
Rutnik ら 2023煮沸の時間
Celeia の 45 分煮沸(古さ 0.5)対 5 分煮沸(古さ 0.3)
苦味の強さ 0〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)2.4 ± 0.2(BU 51・iso-α酸 50.2 mg/L)1.1 ± 0.3(BU 45・iso-α酸 18.0 mg/L)比べた試料の方が苦い
検定の記載なし
Ramos-Parra ら 2024ノンアルコール
ノンアルコールのピルスナー(IBU 15.5)対 ピルスナー(IBU 16.8)
ちょうどよいかの答えの割合(50 名)42% が「苦味が弱すぎる」54% が「ちょうどよい」向きの記載なし
検定の記載なし
Rutnik ら 2022同じ品種で古さだけ
Aurora の古さ 0.7 対 0.5(BU 34 と 39)
苦味の強さ 1〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)4.3 ± 0.26(BU 34)4.0 ± 0.37(BU 39)ほぼ同じ
検定あり・有意差なし
Rutnik ら 2023同じ品種・同じ煮沸で古さだけ
Styrian Wolf・90 分煮沸の古さ 0.3 対 0.5(BU 106 と 118)
苦味の強さ 0〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)4.9 ± 0.2(BU 106)3.4 ± 0.3(BU 118)比べた試料の方が苦い
検定の記載なし

研究ごとの条件と結果

研究ごとに、ビール・苦味の成分の測り方・評価の条件と、測った結果を並べる。行の単位は「研究×測定結果」で、 同じ研究の中の別の比較は別の行にした。各行の下に、論文での位置と、 その行が「IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるか」の比較に使えるかを、理由と一緒に書いた。 空欄にせず、「記載なし」(論文に書かれていない)、「読んでいない」、「該当しない」を書き分けている。

Techakriengkrai ら 2004 官能だけ

Relationships of Sensory Bitterness in Lager Beers to Iso-alpha-Acid Contents. Journal of the Institute of Brewing 110(1):51-56 — doi:10.1002/j.2050-0416.2004.tb00180.x

原文の確認の深さ
全文で確認 — 読み取りの係が出版社の閲覧画面で本文 6 頁を読んだ(表 I・II、p.52〜54)。照合の係は原典を取れず(取れたのは確認画面)、この研究の値は 1 者の読みのまま 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
試料
英国で買った市販ラガー 16 銘柄(アルコール 3.0〜5.5%)
加工・調理
HPLC で iso-α酸 3 種とテトラヒドロ iso-α酸 3 種(総 iso-α酸 2.1〜101.1 ppm)。IBU は測っていない
出し方・食べ方
銘柄のまま評価。糖・pH・炭酸は記載なし
誰が・どの尺度で
学生・職員 18〜19 名を訓練。順位をつけてから点をつける方法(0〜100)、2 回。予測の解析には点の極端な 4 名を外した 14 名を使った。分散分析と Duncan 検定
測ったもの比べた組・条件比べた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)成分 6 つから予測
市販ラガー 16 銘柄の苦味の点と、iso-α酸など 6 成分の量
予測と実測の相関 0.92単独の iso-α酸 3 種との相関 0.54・0.74・0.67相関係数(14 名の点)比べた試料が高い
検定の記載なし
0.92 は成分 6 つを使った回帰(PLS)の交差検証の値。点の極端な 4 名を外した後の数。IBU は測っていない。この研究の値は照合の係が原典で確かめられていない 原典の位置: 表 II・p.54
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — 市販品で人の苦味と成分を並べたが、IBU でなく iso-α酸など。値は回帰の予測の当たり方で、4 名を外している

Schreurs ら 2024 官能だけ

Predicting and improving complex beer flavor through machine learning. Nature Communications 15:2368 — doi:10.1038/s41467-024-46346-0

原文の確認の深さ
全文で確認 — Europe PMC の全文(本文)。補足データと図 2 の中身は見ていない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
試料
ベルギーで買える市販 250 銘柄(22 スタイル)
加工・調理
226 項目を測定。iso-α酸は自動分析器(光度法)。本文に IBU の測定の記載は無い(補足データは見ていない)
出し方・食べ方
12〜16 °C で評価
誰が・どの尺度で
訓練された 16 名のパネル(30 名から選抜。毎回全員が出たわけではない)。50 項目を 7 段階、評価者ごとに標準化。同じスタイルを 5〜12 本ずつ
測ったもの比べた組・条件比べた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)iso-α酸と苦味
市販 250 銘柄(22 スタイル)の iso-α酸と苦味の点
ρ = 0.68該当しない(相関)順位相関(16 名のパネルの標準化した点)比べた試料が高い
検定の記載なし
スタイルをまたいだ相関で、同じスタイルの中の相関は示されていない。甘味と苦味は ρ = −0.48 原典の位置: 本文(図 2 の説明)
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — 250 銘柄と大きいが、IBU でなく iso-α酸で、スタイルをまたいだ相関

Rutnik ら 2022 官能だけ

Impact of Hop Freshness on Dry Hopped Beer Quality. Foods 11(9):1310 — doi:10.3390/foods11091310

原文の確認の深さ
全文で確認 — Europe PMC の全文(表 5・6、3.3 節) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
試料
試作のエール 15 本(ホップ 3 品種 × ホップの古さ 5 段階)
加工・調理
発酵後にホップ 10 g/L を 20 °C で 5 日漬けた(ドライホップ)。BU(イソオクタン抽出物の 275 nm の吸光)21〜45、iso-α酸は 1.95 mg/L 以下と少ない
出し方・食べ方
10 °C で評価。アルコール・残糖・pH の測定値は報告されていない
誰が・どの尺度で
訓練された 10 名。苦味の強さと質を 1〜5(0.5 刻み)。一元配置の分散分析と Tukey 法(5% 水準)。値は平均 ± 標準偏差
測ったもの比べた組・条件比べた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)同じ BU
報告された平均の BU が同じ 22 の 2 本: ホップ Aurora(古さ 0.3)対 Celeia(古さ 0.6)
2.4 ± 0.391.2 ± 0.24苦味の強さ 1〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)比べた試料の方が苦い
検定の記載なし
同じ BU でも強さが違った例。この組の差の検定は読み取っていない。ドライホップで iso-α酸は少ない 原典の位置: 表 5・6
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — 同じ BU で強さが違う例を示すが、iso-α酸が少ない 10 g/L のドライホップの試作
苦味の強さ(官能)同じ品種で古さだけ
Aurora の古さ 0.7 対 0.5(BU 34 と 39)
4.3 ± 0.26(BU 34)4.0 ± 0.37(BU 39)苦味の強さ 1〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)ほぼ同じ
検定あり・有意差なし
BU は低い方が強さの平均はやや高いが、強さの差は有意でないと本文に書く。有意差なしは同じという意味ではない 原典の位置: 表 5・6、3.3 節
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — 同じ品種で古さだけを変え、BU が下がっても強さは下がらなかったが、差は有意でない。iso-α酸の少ない試作

Rutnik ら 2023 官能だけ

The Impact of Hop Freshness on Kettle-Hopped Beers. Foods 12(23):4353 — doi:10.3390/foods12234353

原文の確認の深さ
全文で確認 — Europe PMC の全文(表 7・8、3.3 節)。方法の節は 45 本を評価と書くが、表 8 は 30 本 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
試料
試作のビール 45 本(ホップ 3 品種 × 古さ 5 段階 × 煮沸 5・45・90 分)。苦味の官能は 2 品種の 30 本(1 品種は苦すぎるとして外した。香りの官能は 45 本)
加工・調理
麦汁にホップを入れて煮沸。全 45 本で BU 28〜122・iso-α酸 10〜174 mg/L、苦味の官能のある 30 本では BU 28〜118・iso-α酸 10〜148 mg/L
出し方・食べ方
10 °C で評価。アルコール・糖・pH の測定値は報告されていない
誰が・どの尺度で
訓練された 10 名。苦味の強さと質を 0〜5(0.5 刻み)。分散分析と Tukey 法(5% 水準)。値は平均 ± 標準偏差
測ったもの比べた組・条件比べた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)煮沸の時間
Celeia の 45 分煮沸(古さ 0.5)対 5 分煮沸(古さ 0.3)
2.4 ± 0.2(BU 51・iso-α酸 50.2 mg/L)1.1 ± 0.3(BU 45・iso-α酸 18.0 mg/L)苦味の強さ 0〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)比べた試料の方が苦い
検定の記載なし
BU の差は小さいが iso-α酸と強さは大きく違う例。ホップの古さも違う。この組の差の検定は読み取っていない。著者は化学分析と官能のあいだに相関は無かったと書く 原典の位置: 表 7・8、3.3 節
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — 試作で、煮沸時間と古さが同時に違う組
苦味の強さ(官能)同じ品種・同じ煮沸で古さだけ
Styrian Wolf・90 分煮沸の古さ 0.3 対 0.5(BU 106 と 118)
4.9 ± 0.2(BU 106)3.4 ± 0.3(BU 118)苦味の強さ 0〜5、平均 ± 標準偏差(10 名)比べた試料の方が苦い
検定の記載なし
BU の低い方が強さの平均は高い。この組の差の検定は本文から確かめられない。同じ品種の 45 分煮沸では平均 5.0 の組もあり、尺度の上限に近い 原典の位置: 表 7・8
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — 同じ品種・同じ煮沸で古さだけを変え、BU の高い方が強さの平均は低い。この組の検定は確かめられない

尾崎・鰐川 2008 官能だけ

官能評価と化学分析によるビールの“おいしさ”の解析. 日本醸造協会誌 103(3):150-162 — doi:10.6013/jbrewsocjapan1988.103.150

原文の確認の深さ
全文で確認 — J-STAGE の PDF の全文(解説の記事。4-2・4-5 節、第 4 図)。図の値は読んでいない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
試料
市販のビールと発泡酒 10 銘柄
加工・調理
研究全体で 242 項目を測定(苦味価 BU を含む)。苦味の回帰は水溶性の成分で作った
出し方・食べ方
銘柄のまま評価
誰が・どの尺度で
訓練された専門の評価者 7 名。28 の特性を線の尺度で、各 2 回。PLS 回帰
測ったもの比べた組・条件比べた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)苦味の回帰
市販 10 銘柄の苦味の点を水溶性の成分で説明する回帰(PLS)
苦味価(BU)が寄与の最も大きい変数記載なし(値は図だけ)回帰での寄与の順(7 名)向きの記載なし
検定の記載なし
相関の値や向きは本文に無い。ほかにポリフェノール類・グルコースなども挙がる 原典の位置: 4-5 節・第 4 図
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — BU が苦味の点を最もよく説明したが、値も向きも本文に無い。10 銘柄

Ramos-Parra ら 2024 官能だけ

Consumer insights into the at-home liking of commercial beers: Integrating nonvolatile and volatile flavor chemometrics. Food Science & Nutrition 12(6):4063-4075 — doi:10.1002/fsn3.4066

原文の確認の深さ
全文で確認 — Europe PMC の全文(本文と表 1・2)。図 2〜4 の中身は見ていない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
試料
メキシコで売られている市販 6 銘柄(ノンアルコールのピルスナー 1 を含む)
加工・調理
IBU 10.8〜53.8(分光法)、iso-α酸、色・Brix・pH・酸度も測定
出し方・食べ方
自宅で 30 mL を評価
誰が・どの尺度で
一般の消費者 50 名。好み(15 cm の線)・当てはまる絵文字をすべて選ぶ方法・ちょうどよいか(JAR)。苦味の強さの点数は無い
測ったもの比べた組・条件比べた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)ノンアルコール
ノンアルコールのピルスナー(IBU 15.5)対 ピルスナー(IBU 16.8)
42% が「苦味が弱すぎる」54% が「ちょうどよい」ちょうどよいかの答えの割合(50 名)向きの記載なし
検定の記載なし
強さの点ではない。要旨は IBU に有意差なし、本文は似た IBU と書くが、表 2 の文字では有意に違う(16.8 と 15.5)。iso-α酸は有意差なし(89.5 と 101.2 mg/L)。pH は有意に違い、酸度は有意差なし 原典の位置: 表 2・図 2b
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 限られる — 強さでなく好みと「ちょうどよいか」の答え。アルコールのほか pH なども違う

岸本 2021 成分だけ

「苦味価」は何を語っているのか?. 日本醸造協会誌 116(10):688-697 — doi:10.6013/jbrewsocjapan.116.688

原文の確認の深さ
全文で確認 — J-STAGE の PDF の全文(解説の記事。表 2、第 7 図)。実験の詳細は英語の原著(抄録まで) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-21。
試料
試作の麦汁とビール。ホップのペレットを 40 °C で 0〜90 日置いて酸化させ、同じ条件で醸造
加工・調理
BU(分光法)と iso-α酸(HPLC)を測った。味覚センサーの測定は、無ホップのビールで 40 BU にそろえてから 25 °C で
出し方・食べ方
該当しない(人は飲んでいない)
誰が・どの尺度で
人の評価は無い。苦味は味覚センサーで測った
測ったもの比べた組・条件比べた試料比べた相手単位向き・検定
イソα酸古いホップ
新しいホップ(0 日)対 古いホップ(90 日)の原液。BU はほぼ同じ
39.9 mg/L(BU 47.5)2.2 mg/L(BU 49.9)mg/L(ビール)比べた試料が高い
検定の記載なし
古いホップでは BU の多くが iso-α酸でない酸化した物質。40 BU にそろえて味覚センサーで測ると、古いホップの方で苦味の応答が下がった(人の評価ではない) 原典の位置: 表 2・第 7 図
IBU や苦味の成分が多いほど人が苦く感じるかの比較に: 使えない — 成分と味覚センサーで、人の評価は無い

実験の中で確かめられたこと

同じ研究の中で、同じ評価者が条件を変えて比べた結果だけを書く。

結果の違いの説明の候補

研究のあいだ、またはビールのあいだで違う条件のうち、苦味の違いを説明しうるもの。 複数の条件が同時に違うので、どれが効いたかは分からない。ここに書くのは候補で、原因ではない。

分かっていないこと——この比較だけでは分けられないこと

研究と行の数え方

根拠の行の数は、研究の数ではない。表の行・台帳の根拠の行・論文・研究グループを分けて数える。

調べた範囲

この問いのために見た資料と、表に入れた・除いた理由、全文に当たれなかった資料を残す。 Europe PMC・J-STAGE・CiNii で、ビールの苦味の官能評価と IBU や iso-α酸を扱う研究を探し、研究所の台帳にある資料と合わせた。

資料扱い理由
Relationships of Sensory Bitterness in Lager Beers to Iso-alpha-Acid Contents (2004) doi表に入れた市販ラガーで人の苦味と成分を並べた。読み取りの係が全文で読んだが、照合の係は原典を取れなかった
Predicting and improving complex beer flavor through machine learning (2024) doi表に入れた市販 250 銘柄で iso-α酸と苦味の点を並べた。全文で読んだ
Impact of Hop Freshness on Dry Hopped Beer Quality (2022) doi表に入れたBU と苦味の強さを試作で並べた。全文で読んだ
The Impact of Hop Freshness on Kettle-Hopped Beers (2023) doi表に入れたBU・iso-α酸と苦味の強さを試作で並べた。全文で読んだ
官能評価と化学分析によるビールの“おいしさ”の解析 (2008) doi表に入れた市販 10 銘柄で BU と苦味の点を回帰で並べた。全文(解説)で読んだ
Consumer insights into the at-home liking of commercial beers: Integrating nonvolatile and volatile flavor chemometrics (2024) doi表に入れたIBU と消費者の答えを並べた。全文で読んだ
「苦味価」は何を語っているのか? (2021) doi表に入れた原液の BU がほぼ同じで中身が違うビールを作った(センサーは 40 BU にそろえて測定)。全文(解説)で読んだ
Evaluation of Nonvolatile Chemistry Affecting Sensory Bitterness Intensity of Highly Hopped Beers (2018) doi全文に当たれないBU が苦味を非線形に予測するとする。抄録だけで、向きと値は抄録に無い
The impact of hop bitter acid and polyphenol profiles on the perceived bitterness of beer (2016) doi表に入れず、文脈の資料として見た苦味の性格を語の選択で比べた。強さの点は無く、BU と官能を直接比べていない(受理原稿で読んだ)
Bitterness Intensity of Oxidized Hop Acids: Humulinones and Hulupones (2016) doi表に入れず、文脈の資料として見た酸化したホップの酸の苦さを iso-α酸と比べた。抄録だけ
Toward Understanding the Bitterness of Dry-Hopped Beer (2017) doi表に入れず、文脈の資料として見たドライホップで IBU と苦味が上がる仕組みを調べた。抄録だけ
The Human Bitterness Detection Threshold of Iso-α-Acids and Tetrahydro-Iso-α-Acids in Lager Beer (2009) doi表に入れず、文脈の資料として見た苦味を感じ始める量(あるかないか)の研究で、強さの比較ではない。抄録だけ
Exploring the flavor life cycle of beers with varying alcohol content (2017) doi表に入れず、文脈の資料として見たアルコールの違う市販品で苦味が目立つ時間を比べた。IBU やホップの成分の測定は報告されていない

図鑑で読む

出典台帳

表の各研究の出典は、研究ごとの欄からたどれる。研究所の全体の出典は出典台帳にまとめている。

この頁の引用のしかた

青木大(NIGAMI LAB)(2026). ビールは IBU が高いほど苦いのか — 研究ごとの条件と結果. https://nigamilab.com/topics/ibu-bitterness/

主張ごとの固定リンクは各カードの #clm-… です。データは CC BY 4.0、配布は データを使う。 データセットの DOI: 10.5281/zenodo.22739101