下処理帳 — 苦味を引く側。この帳面は苦味だけを見る

ケールの下処理帳

ケール(図鑑の項目)の下処理を方法ごとに並べ、苦味が動いたかどうかを根拠つきで判定します。 アク・えぐみ・渋味は別の目的として注記し、毒性や安全のための理由は書きません。

このページの内容(4 節)
  1. 判定の一覧(4)
  2. 読み比べて分かったこと
  3. 減る(4)
  4. 関連
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判定の一覧

方法判定
塩・塩類を加える(調味)減る
塩・塩類を加える(調味)減る
砂糖・甘味料を加える減る
砂糖・甘味料を加える減る

読み比べて分かったこと

ケールの 4 行を並べると、少量の砂糖や食塩で苦味の評点が下がるという向きは、別々の 2 つの研究でそろっていますが、ケールだけの結果として読めるのは食塩の噴霧の比較だけです。2018年の研究はピューレに砂糖(0.6〜1.8%)や食塩(0.2%)を混ぜ、訓練パネル9名や成人84名で苦味が下がったと書きますが、要旨はブロッコリー・ほうれん草・ケールの 3 種をまとめて結果を書いています。2013年の研究は 32 mM の食塩水を 0.5 mL 噴霧すると、37名の評価でケールの苦味が下がったと書きます。

同じ 2 つの研究には、苦味と好みを分けて読む必要がある所もあります。砂糖を加えたピューレは成人99名の好みの評点を上げ、アスパルテームも 3 野菜の苦味を下げて好みを上げましたが、好みの評点は苦味の強さとは別の物差しです。アスパルテームが食塩などのナトリウム系の添加物より効くかは、直接比べた検定が無く言えません。どこまで言えるかというと、どれも予備的な段階で、2018年の研究は要旨までの確認、2013年の試料は冷凍品で調理や解凍の記載がありません。ピューレや試料に足す調味の結果で、葉を下処理した結果ではないことも、読むときに外せない条件です。

この節の根拠(2)
  1. Mary Poppins was right: Adding small amounts of sugar or salt reduces the bitterness of vegetables — Bakke AJ; Stubbs CA; McDowell EH; Moding KJ; Johnson SL; Hayes JE / 2018 / 抄録確認
    この節で確認した範囲: 砂糖・食塩を混ぜたピューレの苦味が3種まとめて下がったこと(要旨まで)/2%の砂糖での強制選択の結果がケールだけに分かれていないこと(要旨まで)/砂糖で好みの評点が上がったのが苦味の評定ではないこと(要旨まで)/2018年の研究が要旨までの確認という限界(要旨まで)
  2. Masking Vegetable Bitterness to Improve Palatability Depends on Vegetable Type and Taste Phenotype — Sharafi M; Hayes JE; Duffy VB / 2013 / 全文確認
    この節で確認した範囲: 食塩水の噴霧でケールの苦味が下がったこと(全文)/アスパルテームとナトリウム系の添加物の直接検定が無いこと(全文)

減る

塩・塩類を加える(調味)減る食品

条件: ピューレに食塩を0.2%混ぜる(浸漬・もみ込みではなく直接混和)苦味以外の目的: 下処理というより調製済みピューレへの調味に近い条件

少量の食塩添加でも苦味強度が低下し、食感・香りは変化しなかった。

ケールの知覚苦味を抑えるもの: ケールピューレへの少量の砂糖(0〜1.8%、4段階)または食塩(0〜0.2%)の添加により、苦味強度が低下した(甘味・塩味は上がった)。食感・香りなど他の官能特性は変化しなかった。要旨は3種の野菜をまとめて結果を書き、添加濃度ごとの効果は示さない。予備的

範囲: 層: 食品。ブロッコリー・ほうれん草・ケールの緑色野菜ピューレ、訓練された成人パネル9名による評価(実験1)。

注記: 要旨(Europe PMC の登録情報)で確かめた(全文は未確認)。3種の野菜すべてで同様の傾向が報告されており、ケールだけに限定した数値は要旨からは切り分けられない。

ブロッコリー・ほうれん草・ケールのピューレに砂糖(0/0.6/1.2/1.8%)または食塩(0/0.2%)を加えた条件を、緑色野菜に特化した訓練を20時間超受けた成人9名が記述分析で評価した。要旨は実験1・2をまとめて、砂糖と食塩はそれぞれ3種すべての苦味を下げ(甘味・塩味は上がった)、食感・香りなどほかの官能特性は変えなかったと書く。
限界: 全文は未入手で、要旨(Europe PMC の登録情報)で確かめた。要旨は3種の野菜をまとめて結果を書いており、ケールだけの数値や添加濃度ごとの効果は切り分けられない。検定名・p値は要旨に無い。
出典: Mary Poppins was right: Adding small amounts of sugar or salt reduces the bitterness of vegetables(Bakke AJ; Stubbs CA; McDowell EH; Moding KJ; Johnson SL; Hayes JE, 2018)・抄録確認
データを表示ingredient-kale —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ (上の主張の文)
claim: clm-w68a-kale-sugar-salt-reduces-bitterness / type: sensory / 更新: 2026-10-22

塩・塩類を加える(調味)減る食品

条件: 塩化ナトリウム32 mMを加える(実験室調製サンプル)

この濃度の食塩液を噴霧すると、ケールの苦味の評点が下がった。アスパラガス・芽キャベツで同じ処理の効果が無かったという意味ではなく、この用量での結果。

ケールの知覚苦味を抑えるもの: 32 mM の塩化ナトリウム液を噴霧すると、ケールの苦味評点が低下した(p<.05)。予備的

範囲: 層: 食品。アスパラガス・芽キャベツ・ケールを対象に、PROP苦味感受性で層別した成人37名による実験室試験。

注記: 2026-10-21 に全文で確かめた。効果が野菜の種類に依存する例として著者は位置づける。

37 名の評価で、32 mM の NaCl 液を 0.5 mL 噴霧するとケールの苦味が下がった(p<.05)。
限界: ほかの 2 野菜で同じ処理の効果が無いという意味ではない。この用量での結果。
データを表示ingredient-kale —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ (上の主張の文)
claim: clm-w68a-kale-nacl-32mm-reduces-bitterness / type: sensory / 更新: 2026-09-06

砂糖・甘味料を加える減る食品

条件: ピューレに砂糖を0.6〜1.8%(または実験3で1〜2%)混ぜる

少量の砂糖添加で苦味強度が低下し、強制選択課題でも無添加より苦味が弱いと判定された。好み評点も砂糖添加で上昇。

根拠: 上の根拠カード

ケールの知覚苦味を抑えるもの: 2%の砂糖を加えたケールピューレは、無添加ピューレとの強制選択課題で、より苦味が弱いと選ばれた。予備的

範囲: 層: 食品。ケール・ほうれん草・ブロッコリーの野菜ピューレ、成人84名による強制選択課題(実験2)。

注記: 要旨(Europe PMC の登録情報)で確かめた(全文は未確認)。要旨は実験1・2をまとめて3種すべての苦味が下がったと書き、ケールだけの選択の数は示さない。

各野菜ピューレを0%または2%の砂糖で調製し、成人84名の強制選択課題で苦味を評価した。要旨は実験1・2をまとめて、砂糖の添加が3種すべての苦味を下げたと書く。
限界: 全文は未入手で、要旨(Europe PMC の登録情報)で確かめた。ケールだけの選択の数や効果の大きさ、検定名は要旨に無い。
出典: Mary Poppins was right: Adding small amounts of sugar or salt reduces the bitterness of vegetables(Bakke AJ; Stubbs CA; McDowell EH; Moding KJ; Johnson SL; Hayes JE, 2018)・抄録確認
データを表示ingredient-kale —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ (上の主張の文)
claim: clm-w68a-kale-sugar-2pct-forced-choice-bitterness / type: sensory / 更新: 2026-10-22
ケールの受容性を高めた処理: 砂糖(0%・1%・2%)を加えたケール・ほうれん草・ブロッコリーの野菜ピューレで、成人消費者(99名)の9段階ヘドニック評価の好みが高まった。要旨は野菜ごと・濃度ごとの結果を分けて書かない。予備的

範囲: 層: 食品。実験3(9段階ヘドニック評価、成人99名)。

注記: 要旨(Europe PMC の登録情報)で確かめた(全文は未確認)。好み評点の上昇であって苦味強度そのものの評定ではない。

各野菜ピューレを0/1/2%の砂糖で調製し、成人99名が9段階ヘドニック尺度で評価。砂糖添加により成人消費者の好みが増加したと記述。
限界: 全文は未入手で、要旨(Europe PMC の登録情報)で確かめた。要旨は野菜ピューレ全体の結果として書き、ケールだけの結果や1%・2%それぞれの効果は切り分けられない。好み評点であり苦味強度の直接評定ではない。
出典: Mary Poppins was right: Adding small amounts of sugar or salt reduces the bitterness of vegetables(Bakke AJ; Stubbs CA; McDowell EH; Moding KJ; Johnson SL; Hayes JE, 2018)・抄録確認
データを表示ingredient-kale —has_sensory_acceptability_increased_by→ (上の主張の文)
claim: clm-w68a-kale-sugar-increases-liking / type: sensory / 更新: 2026-10-22

砂糖・甘味料を加える減る食品

条件: 人工甘味料(アスパルテーム)を加える苦味以外の目的: 添加物比較であり伝統的な下処理ではない

供試したナトリウム系添加物より苦味抑制・嗜好改善の効果が大きかった。下処理というより添加物による対処。

ケールの知覚苦味を抑えるもの: アスパルテームの添加で、ケールを含む 3 野菜とも苦味が下がり好みが上がった(全体の解析)。ナトリウム系の添加物(塩化ナトリウム 32 mM・酢酸ナトリウム)より効き目が大きいかは、直接の検定が無く確かめられない。予備的

範囲: 層: 食品。同上の実験室試験(アスパラガス・芽キャベツ・ケール)。

注記: 2026-10-21 に全文で確かめた。アスパルテームは食材そのものの下処理ではなく添加物であることに留意。

全 37 名の解析で、アスパルテームは 3 野菜とも苦味を下げ、好みを上げた。PROP の群ごとの解析では、好みの上昇が有意だったのは中程度に感じる群の芽キャベツとケール。ナトリウム系の添加物との効き目の差を直接検定した記載は無い。
限界: 71% は 3 野菜の平均。添加物どうしの直接の優劣の検定は確認できない。好みの評点の尺度は原典内で不整合がある(方法は強度と好みを 0〜100 の gLMS と書くが、表 1 の試食の好みは −95〜39 など負の値を含む)。試食の好みの尺度範囲は確定できない。
データを表示ingredient-kale —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ (上の主張の文)
claim: clm-w68a-kale-aspartame-most-effective-masking / type: sensory / 更新: 2026-09-06

関連

ケール(図鑑) / 主題ハブ 苦味受容体 / 主題ハブ TAS2R38 とアブラナ科の苦味/ 下処理帳の入口