下処理帳 — 苦味を引く側。この帳面は苦味だけを見る
グレープフルーツジュースの下処理帳
グレープフルーツジュース(図鑑の項目)の下処理を方法ごとに並べ、苦味が動いたかどうかを根拠つきで判定します。 アク・えぐみ・渋味は別の目的として注記し、毒性や安全のための理由は書きません。
このページの内容(4 節)
判定の一覧
| 方法 | 判定 |
|---|---|
| 吸着(シクロデキストリン・樹脂・活性炭) | 減る |
| 酵素 | 減る |
| 酵素 | 減る |
| 砂糖・甘味料を加える | 減る |
読み比べて分かったこと
グレープフルーツ果汁の下処理を並べると、苦味の強さを人が評価したのは甘みを足す方法だけで、それも本物の果汁ではなくモデル飲料でした。ナリンギン濃度を 158・315・473 mg/kg に固定したままショ糖を 8 から 12 Brix へ増やすと、訓練パネル16名の苦味と苦い後味の評点が下がりました。酵素と樹脂の処理は、苦味の成分を減らした量と、文献の閾値を下回ったかどうかで示されていて、酵素の処理には官能パネルがありません。樹脂の処理には消費者の評価がありますが、問われたのは総合の受容性で、苦味の強さではありません。成分を取り除く方法と、成分を残したまま感じ方を変える方法とで、確かめた中身が違います。
成分を取り除く方法どうしでも、条件で結果が分かれます。同じ酵素を固定した担体でも、butyl 型ではリモニンが 100% 減ったのにナリンギンは 54% 減で閾値に届かず、octyl 型ではナリンギン 74%・リモニン 76% 減で、ナリンギンが閾値を下回ったのは octyl 型だけでした。樹脂の研究も、PAD550 はナリンギンを味の閾値未満まで下げましたが、XAD-7HP はナリンギンを初期値の 51.28% までしか下げず、香りの成分のアルファテルピネオールも 43.05% まで減らしていました(著者はこの成分を好ましくない香りと見ています)。ただし二つの樹脂は別々の研究で、果汁も条件も違うため、減り方を直接は比べられません。そして消費者が最も好んだのは、完全に苦味を除いた果汁ではなく半分除いた果汁でした。
どこまで言えるかというと、酵素と樹脂でナリンギンやリモニンが閾値を下回るまで減ることは成分の測定で言えますが、その果汁の苦味がどれだけ弱く感じられるかを訓練パネルが測った資料はありません。甘みで苦味の評点が下がることは人の評価で言えますが、モデル飲料での結果で、実際の果汁で同じになるかは確かめられていません。苦味の成分を取り除くほど好まれるとは限らないという点は、樹脂の研究の要旨から読めますが、要旨までの確認です。別の樹脂では香りの成分も一緒に減りましたが、著者はその成分を好ましくない香りと見ており、香り全体の良し悪しは測られていません。
この節の根拠(4)
- Effects of Varying the Color, Aroma, Bitter, and Sweet Levels of a Grapefruit-Like Model Beverage on the Sensory Properties and Liking of the Consumer — Gous AGS; Almli VL; Coetzee V; de Kock HL / 2019 / 全文確認
この節で確認した範囲: モデル飲料でショ糖を増やすと苦味の評点が下がる向き(全文)/モデル飲料での結果で実飲料は未確認という限界(全文) - Grapefruit Debittering by Simultaneous Naringin Hydrolysis and Limonin Adsorption Using Naringinase Immobilized in Agarose Supports — Munoz M; Holtheuer J; Wilson L; Urrutia P / 2022 / 全文確認
この節で確認した範囲: 酵素処理に官能パネルが無く閾値で推定していること(全文)/担体ごとのナリンギン・リモニンの減り方の違い(全文)/酵素処理の閾値判定が成分の測定であること(全文) - Performance of macroporous resins for debittering HLB-affected grapefruit juice and its impacts on furanocoumarin and consumer sensory acceptability — Gordon RM; Washington TL; Sims CA; Goodrich-Schneider R; Baker SM; Yagiz Y; Gu L / 2021 / 抄録確認
この節で確認した範囲: 樹脂処理の消費者評価が総合受容性であること(要旨まで)/PAD550 の閾値未満の除去と半脱苦味が最も好まれたこと(要旨まで) - Sorption of citrus flavour compounds on XAD-7HP resin during the debittering of grapefruit juice — Kranz P; Adler P; Kunz B / 2011 / 抄録確認
この節で確認した範囲: XAD-7HP でのナリンギン残存と香り成分の共吸着(要旨まで)/香り全体の良し悪しは測っていないという限界(要旨まで)
減る
吸着(シクロデキストリン・樹脂・活性炭)減る食品
条件: 固定床カラムでのPAD550・PAD600マクロポーラス樹脂処理。ナリンギンを味覚閾値未満まで低下させ、リモニン・ノミリン・ベルガモチンも低減した。
樹脂に吸着させる処理で、ナリンギンが味の閾値を下回るまで減った。狙う相手: ナリンギン
範囲: 固定床カラムでの HLB 罹病フロリダ産グレープフルーツジュース。未処理・半脱苦味・完全脱苦味ジュースの消費者官能比較
注記: 消費者は脱苦味・半脱苦味ジュースを未処理より高く評価したが、最も好まれたのは半脱苦味ジュースであり、苦味の完全除去は消費者最適ではなかった。
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ingredient-grapefruit-juice —can_be_debittered_by→ (上の主張の文)酵素減る食品
条件: pH 4.0・30℃で処理。butyl-glyoxylアガロース固定化ナリンギナーゼでナリンギン54%減、octyl-glyoxylアガロースで74%減(バイオ触媒は24時間バッチ5回再利用)。
ナリンギナーゼを固定化した担体でグレープフルーツ果汁を処理すると、ナリンギンが減った。狙う相手: ナリンギン
範囲: pH 4.0・30 C で処理したグレープフルーツジュース。バイオ触媒は24時間バッチ5回で再利用
注記: 最終濃度が引用検出閾値に達したかは担体に依存して部分的: リモニンは両担体で閾値未満に達したが、ナリンギンは octyl 担体でのみ。
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ingredient-grapefruit-juice —can_be_debittered_by→ (上の主張の文)範囲: グレープフルーツ果汁、ナリンギナーゼ固定化アガロース担体(オクチル-グリオキシルアガロース)による処理
注記: 当該担体での処理によりナリンギン濃度が74%減少したと報告される。
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process-citrus-enzymatic-naringinase-debittering —reduces→ compound-naringin酵素減る食品
条件: 同じ酵素処理でリモニンはbutyl-glyoxylアガロースで100%減、octyl-glyoxylアガロースで76%減。両担体とも検出閾値未満まで低下した。
同じ酵素処理でリモニンも検出閾値を下回るまで下がった。狙う相手: リモニン
根拠: 上の根拠カード
範囲: 同上(グレープフルーツ果汁、ナリンギナーゼ固定化アガロース担体)
注記: 同じ処理によりリモニン濃度が76%減少し、ナリンギン・リモニンとも検知閾値を下回ったと報告される。
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process-citrus-enzymatic-naringinase-debittering —reduces→ compound-limonin砂糖・甘味料を加える減る溶液
条件: モデル飲料でナリンギン濃度(158/315/473 mg/kg)を一定にしたままショ糖濃度を8→10→12 Brixへ増量(実際の果汁ではなくモデル飲料での結果)
甘みを強めると苦味・苦味の後味・渋味の官能評点が下がった(グレープフルーツ様モデル飲料での結果。実飲料での再現は未確認)。狙う相手: ナリンギン
範囲: 層: 溶液。実際のグレープフルーツ果汁ではなく、色・アロマ・ナリンギン濃度・ショ糖濃度を要因として組んだモデル飲料。訓練パネル16名の記述的分析、および消費者パネル90名(女性、18-24歳)の受容性評価。
注記: 樹脂吸着・ナリンギナーゼ以外の「甘みで苦味を和らげる」家庭的手段の裏付けだが、モデル系の結果であり実飲料での再現性は別途要確認。
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ingredient-grapefruit-juice —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ compound-naringin