下処理帳 — 苦味を引く側。この帳面は苦味だけを見る
大根の下処理帳
大根(図鑑の項目)の下処理を方法ごとに並べ、苦味が動いたかどうかを根拠つきで判定します。 アク・えぐみ・渋味は別の目的として注記し、毒性や安全のための理由は書きません。
このページの内容(4 節)
判定の一覧
| 方法 | 判定 |
|---|---|
| 油で加熱 | 減る |
| ワタ・種・皮・筋を除く | 減る |
読み比べて分かったこと
大根の下処理の行は、生のおろしと切り干し大根の煮物という、別の形の大根での結果です。生のおろしでは、青首・美濃早生・信州地の3品種とも、先のほうの尾部が首に近い頭部より苦く辛く、甘味とうま味は弱いと、20名の順位法で判定されました。苦味は辛味と同じ向きに、甘味・うま味とは逆の向きに動いています。切り干し大根の煮物では、少量の菜種油を最初から一緒に煮ると、「大根の苦味を強く感じますか」への5段階の答えの平均が3.57から2.53・2.43に下がり、油を加熱してあったかどうかでは差がありませんでした。
ただし、このふたつの結果は組み合わせて読めません。部位の差は生のおろしだけで測られ、煮た大根の部位差は測られていません。油の試験は切り干し大根を100℃で60分煮たもので、油を後から足したものでも、生の大根を煮たものでもありません。測り方も、前者は苦味の順位づけ、後者は苦味の感じ方を1項目でたずねた評点と違います。言えるのは、生のおろしでは部位によって、切り干し大根の煮物では油の有無によって苦味の感じ方が変わったというところまでです。
この節の根拠(2)
- おろし辛味大根の辛味特性について — 河村 フジ子; 松本 睦子; 金 和子; 小林 彰夫 / 1989 / 全文確認
この節で確認した範囲: 生のおろしで尾部が頭部より苦く辛かった順位(全文)/部位差が生のおろしだけで煮物は測っていないこと(全文) - 切り干し大根に油揚げを添加する伝統的な調理法において油揚げが嗜好性に与える効果の検証 — 中村元計; 中野久美子; 網塚貴彦; 中村葵; 原田歩実; 石井真紀; 山崎英恵; 伏木亨 / 2020 / 全文確認
この節で確認した範囲: 油を入れて煮ると大根の苦味の評点が下がったこと(全文)/油は最初から煮たもので苦味は1項目の評点であること(全文)
減る
油で加熱減る食品
条件: 切り干し大根・水と一緒に、少量の菜種油を最初から入れて煮る(30名の5段階評価)。
「大根の苦味を強く感じますか」の平均は、油なし3.57に対し、油を入れた煮物は2.53・2.43で、油を入れたほうが有意に低かった。煮たあとに油を足した試験ではない。
範囲: 国産の切り干し大根50 g・水250 g・油3.9 gを真空パックに入れ、100℃で60分加熱した試料。訓練した被験者集団(89名)から実験ごとに無作為に選んだ30名が、1試料ずつ単独で評価。反復測定の一元配置分散分析とTukey法
注記: 生の大根や、大根を厚く切って煮た煮物ではなく、切り干し大根の煮物である。油は切り干し大根・水と一緒に袋に入れて最初から100℃・60分加熱したもので、できあがった煮物に後から足したのではない。質問は「大根の苦味」を1項目でたずねた評点で、苦味の強さを尺度で測る訓練されたパネルの評価ではない。同じ報告で、油揚げを加えて煮た切り干し大根の煮物は、加えないものより総合の嗜好が有意に高く、油揚げなしの煮物に対する自由記述で苦味・辛味・塩辛さ・においの癖など好ましくない味を書いた人が89名中23名だったのに対し、油揚げを加えた煮物では好ましくない味の記述がなかった(苦味だけの記述ではない)。著者は、チーズの苦味抑制にオレイン酸が関わるという報告と合うと考察している。
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ingredient-daikon-radish —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ (上の主張の文)ワタ・種・皮・筋を除く減る食品
条件: おろす部位を首に近い上のほう(頭部)にし、先のほう(尾部)を使わない。青首・美濃早生・信州地の3品種の生のおろし。
20名の順位法で、3品種とも尾部は頭部より苦味と辛味が強く、甘味とうま味が弱かった(危険率1%で有意)。煮た大根の部位差は測っていない。
範囲: 収穫後2~4日以内の3品種について頭部・中部・尾部をおろし、識別能力を確認した学生・調理学研究室員20名が評価。有意の印は頭部と尾部に付き、中部の位置は順位合計の並び。
注記: 生のおろし大根の結果。煮た大根の部位差や、完成した煮物の苦味を測ったものではない。
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ingredient-daikon-radish —has_perceived_bitterness_affected_by→ (上の主張の文)