下処理帳 — 苦味を引く側。この帳面は苦味だけを見る
渋皮の下処理帳
渋皮(図鑑の項目)の下処理を方法ごとに並べ、苦味が動いたかどうかを根拠つきで判定します。 アク・えぐみ・渋味は別の目的として注記し、毒性や安全のための理由は書きません。
このページの内容(4 節)
判定の一覧
| 方法 | 判定 |
|---|---|
| 茹でて煮汁を捨てる | 未検証 |
| その他 | 未検証 |
読み比べて分かったこと
栗の渋皮について苦味の語を使っているのは料理の記事で、渋皮を調べた査読論文はその語を使っていません。渋皮煮の記事は、渋皮を残すと独特のほろ苦さと香ばしさが加わると書き、重曹の茹でこぼしは渋み成分のタンニンを抜いてえぐみのない味に整えると書いて、ほろ苦さ・渋み・えぐみを別の語で使い分けています。一方、渋皮のフェノール成分を測った論文はタンニンの量を報告しながら苦味の語を使わず、女子学生11名で皮のむきやすさを評価した論文も味には触れていません。読み比べた資料の中に、渋皮を残すことや茹でこぼすことで苦味がどう変わるかを測ったものはありません。論文に苦味の語が無いのは苦味が無いと確かめたからではなく、言えるのは測られていないというところまでです。
この節の根拠(3)
- 栗の渋皮煮レシピ|失敗しない下処理と重曹の使い方・保存方法 — やまだまゆみ(和ごころごはん帖) / 2025 / 全文確認
この節で確認した範囲: 記事がほろ苦さ・渋み・えぐみを書き分けていること(全文) - Phenolic Compositions and Antioxidant Properties in Bark, Flower, Inner Skin, Kernel and Leaf Extracts of Castanea crenata Sieb. et Zucc — Phung Thi Tuyen; Tran Dang Xuan; Do Tan Khang; Ateeque Ahmad; Nguyen Van Quan; Truong Thi Tu Anh; La Hoang Anh; Truong Ngoc Minh / 2017 / 全文確認
この節で確認した範囲: フェノール組成の論文が苦味の語を使っていないこと(全文) - 官能評価によるクリ皮のむきやすさの検討 — 畑江敬子; 嶋田淑子; 戸田貞子; 壽和夫; 香西みどり / 2002 / 全文確認
この節で確認した範囲: 剥皮の官能論文が味に触れていないこと(全文)
言い伝え(未検証)
苦味が動いたかどうかを実測した資料が、この研究所の台帳にまだ無い方法です。効くとも効かないとも言いません。言い伝えの一部は、仮説として仮説採集箱にも置いています。
その他未検証食品
条件: 鬼皮のみ除き、渋皮は剥かずに調理する(渋皮煮など)。(候補語: retain_pellicle)
資料(和ごころごはん帖)は渋皮を残すことで独特の「ほろ苦さ」と香ばしさが加わると書く。査読を経た化学・官能論文(Phung ら・畑江ら)は渋皮の性質を渋味・タンニン・剥皮性として記述し、苦味の語を使っていない。
茹でて煮汁を捨てる未検証食品
条件: 渋皮を残したまま重曹を加えた湯で茹でこぼす(複数回)処理。苦味以外の目的: 剥皮性向上・えぐみ除去
資料は重曹による茹でこぼしで抜けるのは「えぐみ」であるとし、渋皮を残すことで加わる「ほろ苦さ」とは別の記述としている。苦味そのものへの効果は資料からは確認できない。