化合物
ゴイトリン
goitrin
ゴイトリンは、グルコシノレート progoitrin の環状加水分解産物。ヒト TAS2R38 苦味受容体のアゴニスト。
模式図 — 写真ではなく、根拠をもとに苦味研究所が組んだ説明図

模式図(苦味研究所作成)· CC BY 4.0
ゴイトリン — TAS2R38 の型で閾値が動く化合物の一つ
アブラナ科のプロゴイトリンから生じるゴイトリンを、受容体 TAS2R38 の作動薬 5 種(PTC、PROP、ゴイトリン、メチマゾール、シニグリン)と並べ、白人被験者 56 名で検知閾値と 3 つの SNP の関連がチオアミド系で全て P < 0.005・β > 1.85 と強く、シニグリンは部分集団 25 名で P 値 0.03〜0.04 と弱いこと、細胞では PAV 型が PTC に EC50 1.1 µM・PROP に 2.1 µM で応答し AVI 型は 1 mM でも応答しないこと、型の差が EC50 より応答の大きさに出ることを示した図。
根拠: ev-tas2r38-goitrin-sinigrin-agonists · ev-tas2r38-alleles-bufe2005 · ev-behrens-2013-ec50-vs-dff
化合物 / compound-goitrin
↑苦味を読む
ゴイトリンは、アブラナ科のプロゴイトリンが加水分解されて生じる物質で、ヒトTAS2R38苦味受容体の作動薬として試験されている。56名の被験者で遺伝的多様性を確認したうえで行われたアレル特異的な試験管内アッセイでは、フェニルチオカルバミド(PTC)・プロピルチオウラシル(PROP)・メチマゾールとともに、ゴイトリンとシニグリンもTAS2R38アゴニストとして試験され、アレル間で応答は連続的な幅を示した。閾値と遺伝子型の関連は、チオアミド系のPTC・PROP・ゴイトリン・メチマゾールでは三つの一塩基多型すべてで強く有意(P<0.005)で、PAV/AVIハプロタイプでも有意(P<0.001)だった。ただしシニグリンだけは25名の部分集団でしか測られておらず、有意ではあるもののP値はより高く(0.03〜0.04)、著者ら自身が小標本による検出力の限界を明記している。化合物ごとの効力の順位はこの資料からは分からない。
TAS2R38のアレル依存的な機能という軸は、別の独立した研究でも支持されている。構築されたTAS2R38受容体8種(うち天然ハプロタイプ5種)の機能発現とカルシウムイメージングでは、PAV型受容体がPTCに対して半数効果濃度1.1マイクロモル、PROPに対して2.1マイクロモルで応答した一方、AVI型はPTCにもPROPにも1ミリモルの高濃度まで応答しなかったと報告されている。ただしこの研究ではゴイトリンやシニグリンそのものは試験されておらず、ここで確認できるのはPTC・PROPによるアレル依存的なTAS2R38機能という軸を独立に支持する点にとどまる。
抄録の範囲では、TAS2R38のPAV型(感受性型)アレルに対するゴイトリンの応答はEC50 65.0マイクロモルで、同じアッセイでのPROP(EC50 2.1マイクロモル)やPTC(EC50 1.1マイクロモル)より弱かった。AVI型(非感受性型)アレルからの応答は得られなかった。
被験者50名を対象にした心理物理学的閾値測定では、ゴイトリンへの閾値応答はPROPへの応答(P=8.9×10^-4、rs=0.46)およびPTCへの応答(P=7.5×10^-4、rs=0.46)といずれも有意に相関した(抄録の範囲)。TAS2R38の遺伝子変異が説明するゴイトリン応答の分散の割合はr2=0.16にとどまり、PROP(r2=0.50)やPTC(r2=0.57)より小さかった。
この説明の根拠
Genetic, functional, and phenotypic diversity in TAS2R38-mediated bitter taste perception
この本文で確認した範囲: 56名の被験者を用いたゴイトリンのアゴニスト試験結果の根拠に使用
この本文で確認した範囲: PAV型とAVI型のEC50数値差というアレル別受容体機能の根拠に使用
Genetics and bitter taste responses to goitrin, a plant toxin found in vegetables
この本文で確認した範囲: PAV型・AVI型アレルへのゴイトリンのEC50値をPROP・PTCと比較/被験者50名の閾値応答とTAS2R38変異の分散説明率の数値
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
感覚(1)
範囲: 層: 溶液(心理物理閾値測定)。被験者50名でのゴイトリン・PROP・PTCの閾値味覚応答とTAS2R38遺伝子型・機能変異との関連を調べた研究。
注記: 抄録確認止まり。TAS2R38の遺伝子変異だけではゴイトリン応答の分散の大半を説明できないことを示す数量的知見(著者らは他の要因の関与を示唆)。
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compound-goitrin —has_perceived_bitterness_associated_with→ receptor-tas2r38機構・受容体(2)
範囲: 白人被験者56名の全遺伝子シークエンシングで確認された TAS2R38 の6ハプロタイプの、アレル特異的 in vitro 機能アッセイ
注記: アブラナ科グルコシノレート化学と PROP/PTC 感受性軸をつなぐ受容体レベルのリンクを与える。抄録には化合物ごとの EC50 や閾値がなく、効力の順位は記録していない。
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receptor-tas2r38 —is_activated_in_vitro_by→ compound-goitrin範囲: 層: 細胞。TAS2R38の機能発現アッセイによるゴイトリン・PROP・PTCのEC50比較。被験者50名での閾値味覚応答との関連を調べた研究の一部。
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compound-goitrin —activates→ receptor-tas2r38